「旭川」という地名が、市内を流れる「忠別川」の誤った意訳に由来するらしい……という話を昨日ちらっとしたような記憶がそこはかとなくあるのですが、ちょいとおさらいしてみますと……。
「忠別(川)」は、chiw-pet、即ち「波の川」とでも言った意味らしいのですが、それを chup-pet(「日の川」あるいは「月の川」)という風に意味を取り違え、「日の出の川」→「朝日の川」→「旭川」という地名ができてしまった、という話のようです。
勘違いが生まれた日
なるほど、確かに 永田方正の「蝦夷語地名解」には、次のようにあります。
Chup pet チュプ ペッ
東川「チュプカペツ」ニ同シ此川ノ水源ハ東ニアリテ日月ノ出ル処故ニ名ク明治二十三年旭川村ヲ置ク
わかんない
ま、それはさておき。この話って、どことなく「カンガルー」の由来にも近い気がしますね、と書きそうになったのでした。
語源
西洋人がカンガルーを指して「あの動物は何と言うのか」と訊いたところ、現地人は(外国語では何を言いたいのか)「わからない」という意味で「カンガルー」と答え、これがこの動物の通称となったという有名な逸話は、中学の英語の教科書にも載ったことがあるが
そそ。この話は皆さんも聞かれたことありますよね。ただ、この文章には続きがありまして、
(──載ったことがあるが)俗説である。「カンガルー(kangaroo)」は、もともとカンガルー(跳ぶもの)を指した現地語 gangurru が変化したものであると考えられる。なお、オーストラリア周辺には多くの部族が住むため、すべての部族がカンガルーのことをこう呼ぶわけではない。
(Wikipedia 日本語版「カンガルー」から引用)
ま・じ・で・か!?
いやー、すっかり欺されちゃいましたよ。世の中そううまい話ばかりじゃ無い、ってことですね(意味不明)。
あれ? 新品は入手不可?
てなわけで、購入してから約半年近く、ようやく永田方正の「蝦夷語地名解」の埃が掃われる日が来ました(笑)(← 購入後、開くことすらしていなかったらしい)。いやー、こりゃまた面白そうな本ですね。知里真志保先生の「アイヌ語入門」と合わせて読むと楽しさ百倍です。面白いネタが見つかれば、またご紹介しますね。
昨年、新品で購入したのですが、今 amazon.co.jp を覗いてみると、新品は販売していないみたいですね(在庫限り?)。なんだかラッキーな気分になれました。
www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International