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木次線各駅停車 (4) 「宍道駅 3 番のりば」

11:19 発の備後落合行き木次線 1449D は、宍道駅の 3 番のりばから出発します。米子行き 132D は 1 番のりばに停車していたので、跨線橋を渡って 3 番のりばに移動することになります。

跨線橋のガラス窓のところに、「木次線」「③番のりばへ」と記された案内が貼られていました。"Kisuki-Line" "Track NO.3" のように英語の案内も充実しているのが面白いですね。

跨線橋からの眺め

決して幅広とは言えない跨線橋を歩きます。左右に観光スポットのポスターが所狭しとばかりに並んでいます。視覚障害者誘導用ブロック(いわゆる「点字ブロック」)が途中で曲がっていますが、曲がった先に 2 番・3 番のりばへの階段が続いています。跨線橋自体は奥まで続いていますが、現在は使用されなくなったホームへの階段がある……と思われます。

跨線橋の上から西方向を望みます。1 番線(本線)と 2 番線・3 番線では枕木が異なることに気付かされます。本線は速度が出せそうなコンクリート製枕木で、2 番線・3 番線はコストパフォーマンスの良さそうな木製の枕木です。

同じく東方向を望みます。1 番線(本線)は左側です。

石灯籠と湖の町

2 番・3 番のりばから階段を上がったところに、他に類を見ないサイズの「宍道町」の看板があります。

なるほど、「石灯籠と湖の町」なんですね。宍道町は 1927 年に町制施行し、1955 年にはお隣の来待村と合併しています。その 50 年後の 2005 年に松江市と大合併して、自治体としての宍道町はその歴史を閉じることになったのですが、宍道町Wikipedia の記事は随分とあっさりしたもので、「石灯籠」についても記載は見当たりません。

島根県の Web サイトに「出雲石灯ろう」という記事がありました(「灯ろう」と言われると「ともろう」と読みたくなるのは私だけでしょうか)。石灯籠の素材となる「来待石」は「苔がつきやすい」という特徴があるとのこと。少し風雨に晒されることで味が出るという、なんとも渋い特性があるのですね。

「来待石」(きまち──)を算出するのはかつての「来待村」ですが、もともとは「來海村」で「きまち──」と読ませていたのだとか。「海」を「まち」と読ませるのはかなり無……いや、興味深いですね。


「石灯籠と湖の町」というコピーは、それぞれ旧・来待村と旧・宍道町を意味するのかもしれないな、と思えてきました。事実上吸収された側を先にしたのであれば、なかなか大人の対応だなぁ……と思ったりもしたのですが、これは流石に深読みしすぎでしょうか。

宍道駅 3 番のりば

階段を降りて、宍道駅の 2 番・3 番ホームにやってきました。屋根の一部が光を通す素材(強化プラスチックとか?)になっていて、おかげで薄暗い雰囲気がありません。

出発の 13 分前ということで、既に備後落合行き 1449D が入線済みです。ホームに飲み物の自販機があるのも地味に嬉しいですね。

散策も程々に、さっさと車内に乗り込むことにしました。ドアは路線バスを彷彿とさせる折戸です。戸袋などが不要なので、窓の配置の自由度が高くなるメリットがありそうです。

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