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木次線代行バスで各駅停車 (27) 「三井野原」

「奥出雲おろちループ」の「三井野大橋」を渡って、上り坂片勾配の「稚児ヶ池トンネル」を抜けると、間もなく三井野原です。

前方に、ここが「斐伊川水系」と「江の川水系」の分水嶺であることを示す案内がありました。標高 727 m の分水嶺が人家のすぐ傍にある、というのは面白いですよね。

ちなみに、「江の川水系」は「広島県」とありますが、三井野原自体はギリギリ島根県奥出雲町です。どうやら 1953 年に三井野原の一帯が越境合併を行ったらしく、その際に広島県から島根県に移ったとのこと。

三井野原スキー場

三井野原には「三井野原スキー場」があります。地形図を見ると、駅の南西側と東側にそれぞれリフトがあるように描かれていますが、南西側が「アシハラゲレンデ」で、東側が「奥の谷ゲレンデ」とのこと。

Google Map の航空写真をよーく見ると、国道の「稚児ヶ池トンネル」出口のあたりにもリフトがあるように見えますが、「奥の谷ゲレンデ」にはリフトは一基しか無いとのことですので、廃止されたリフトかもしれませんね。

旧・国道 314 号

三井野原駅に立ち寄るために(代行バスなので当然ですが)、左折して国道 314 号を離れます。

国道を離れて三井野原駅に向かいます。ただ、どうやらこの道はかつての国道 314 号だったみたいです。そう言われてみれば(センターラインこそ見えないものの)そこそこ広い道ですね。

道路は除雪車によってしっかりと除雪されていますが、道路脇の電柱はご覧の通り。捨てた雪も混ざっているかもしれませんが、結構積もってますねぇ。

踏切にはわずかに雪が残っていました。除雪車も、下手に踏切を除雪して線路を損傷したりしたら大変なので、どうしても少し雪が残るのでしょうね。

そして実はこの踏切も旧・国道 314 号とのこと。

絶賛除雪作業中!

駅の近くでは、除雪車が絶賛除雪作業中でした。道幅はそれなりにあるので、横をバスが通過できそうな気もしますが……

代行バスがやってきたのを見て、慌てて? 場所をあけてくれました。いやー、お仕事中すいません。

三井野原駅(みいのはら──)

代行バス三井野原駅に到着しました。備後落合行き 1449D は三井野原を 14:10 に出発する予定でしたので、出発まであと 7 分ほどあります。少しだけ車外に出てみましょう。

三井野原駅には何故か? バスを停めるのに良さそうなスペースが用意されていました。そう言えば「奥出雲交通」にも三井野原行きのバスがありましたが、ここがバスターミナルだったりするのでしょうか。

あと、このバス、よく見たらフロントバンパーの下のほうが歪んでいるような気が。吹き溜まりにでも突っ込みましたかね……。

このあたりの木次線が開通したのが 1938 年(昭和 12 年)のことですが、三井野原に仮乗降場が設置されたのは 1949 年(昭和 24 年)のことです(1958 年に駅に昇格)。出雲坂根駅と同じく、割と新しそうな駅舎は最近できたものでしょうか。

念のため Google ストリートビューを確認してみたところ……おおおっ。


こ、これは……。2014 年 9 月時点では現在の駅舎は存在しなかったのですね。そして「三井野原駅」の文字が光る仮設駅舎が。歴史的な瞬間ですねぇ。

停車時間は 7 分程度しか無いので、駅舎の中に入るのは諦めることにしました。

例のアレ「高天原

ということで「例のアレ」こと「神話駅名」です。木次線の例のアレは「宍道駅」「南宍道駅」と、三井野原の次の「油木駅」および終点の「備後落合駅」には設定がありません。別の言い方をすると、木次線の「加茂中駅」から「三井野原駅」までの延べ 14 駅に設定があります。

三井野原駅は、JR 西日本の駅の中では最も標高の高い駅です(標高 726 m)。「神話」で「高いところ」と言えば「高天原」というストレートなネーミングですが、お隣の出雲坂根駅に「天真名井」を持ってくるあたり、良く練られているなぁ、という印象です(「天真名井」は「高天原」から水源を分けた……とされています)。

雪に埋もれた木次線

いつの間にか、除雪車がバスの後ろに戻っていました。代行バスのために道を開けてくださったようで恐縮です……。

バスの車内から改めて駅のほうを見てみると、「遠隔放送」と記されたボックスとその上にはスピーカーが。三井野原駅無人駅なので、何か異常事態が発生した場合は遠隔からアナウンスが入るのでしょうね。

三井野原踏切」の標識が立っているので辛うじて「線路なんだな」と認識できますが、すっかり雪に埋もれてしまっていますね……。

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