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紀勢本線各駅停車 (3) 「海南・冷水浦」

そう言えば、完全に油断していたのですが、黒江駅の手前で和歌山市を離れて海南市に突入していました。御坊行き 341M は黒江駅を出発して南に向かいますが……

下り線との間隔が広くなるとともに、程なく単線断面の「日方トンネル」に入り……

トンネルを抜けると高架線でした。海南駅のすぐ手前(北側)には、野上電気鉄道の「日方駅」があったのですが、あいにく反対側なので何も見えません。

車窓に商用施設の建物(店舗)が目立つようになると同時に、下り線の待避線が見えてきました。間もなく海南駅です。

海南駅

海南駅は 2 面 4 線の高架駅です。高架化されて現在の構造になったのは 1998 年とのことで、1994 年に野上電気鉄道が廃止された後、ということになりますね。航空写真を見た感じでは、従来の線路の東側に高架線を建設したということでしょうか。

海南駅に到着した直後の 341M の車内ですが、更に乗客は少なくなったでしょうか。今頃気づいたのですが、この車輌は関空快速紀州路快速に使用されるもの(と同じタイプ?)だったのですね(キャリーバッグを座席横に置くことを考慮して、椅子が少なく通路が広くなっています)。

高架ホームには自販機があるほか、ベンチも設置されています。最近は長手方向ではなく、車輌だとクロスシートに相当する向きにベンチを配置するのを良く見かけます。ホームを歩く人との接触の危険性が少なくなるのがポイントでしょうか。

「冷水浦」は「しみずうら」と読みます

341M は海南駅を出発すると、大きく右にカーブしながら次の駅に向かいます。

ふむふむ。次の駅は「冷水浦」と言うのですね。

……え? 「冷水浦」で「しみずうら」と読ませるとは……。てっきり「ひやみずうら」か「れいすいうら」だとばかり……。

「しみずうら」という読み方に動揺しているうちに、341M はトンネルに入ってしまいました。海南と冷水浦の間には単線断面のそれほど長くないトンネルが 4 つあり、短時間で出入りを繰り返すことになります。

冷水浦駅

トンネルを抜けると、すぐに冷水浦駅です。複線化の際に単線断面のトンネルを増設する形を取ったため、上下線の間隔が少し離れているのですが、上下線の間隔が元通りになる前に駅に来てしまった、ということのようです。駅構内で上下線が離れるというのも、意外と珍しかったりするかも……?

このあたりは 1924 年に「紀勢西線」として開通した区間で、冷水浦駅は開通 14 年後の 1938 年に開業しています。ただ、おそらくは戦局の悪化によりいつの間にか「全列車通過」となってしまい(事実上の「休止」状態)、その後 1952 年にようやく列車の停車が再開したとのこと。

現在の「駅舎」は 1938 年の開業当初のものでは無さそうで、1961 年に駅が 0.4 km ほど東(和歌山側)に移転しているため、その際に設けられたものかもしれません。

移転前のほうが集落に近かったようですが、このあたりは 1966 年から 1967 年にかけて複線化が行われていて、複線化した上でホームを設けるのは土地が不足しているとの判断で移転を余儀なくされた、というのが正解でしょうか。

駅名標には、いたずらの跡が……。駅施設の損壊は立派な犯罪ですので、やめましょうね。

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