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石北本線ほぼ各駅停車 (20) 「生田原」

常紋トンネルを抜けて遠軽町に入りました。窓の外にはチシマザサが生い茂っていますが、そう言えば「生田原」も iktara「笹」に由来するんじゃないか……なんて話もありましたっけ。

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おや、こんなところに池と廃バスが……。手前の「3」もちょっと気になるところです。

緩やかな斜面は木々が切り拓かれ農地となっている……のでしょうか?

いくつか踏切を通過して

「八重通り」という名前の踏切を通過します。線路の東側は「八重」地区で(現在は「紋別郡遠軽町生田原八重」)、線路沿いを流れる川も「八重沢川」ですが、この「八重」はどうやら和名のようです。

急に家屋が増えてきました。生田原いくたはらの市街地に入ったようです。

「神社通り」踏切を通過します。この踏切を渡ってまっすぐ東に向かうと「生田原神社」があるとのこと。

138 キロポスト?

この「138」はキロポストでしょうか。生田原駅は旭川駅から 141.4 km ですが、石北本線の起点である新旭川駅からは 137.7 km なので……あれ、若干計算が合わないですね。

確か緋牛内でも似たようなことがあった気がします。改めて確かめてみると、緋牛内では「194.6 km なのに 194」だったので、生田原の「137.7 km なのに 138」というのはズレ方が逆なんですよね。

ただ、よく考えてみるとこの「138」は、生田原駅ではなく駅の少し南側にあります。駅中心から 300 m ほど離れているか……と言われてみれば、ちょうどそれくらい離れているような気も。となるとこの「138」は、やはり「138 キロポスト」なんでしょうか……?

「いくたはら」と「きのこランド」

「は」と「ら」の文字の形をした植え込みが見えてきました。

その先にはもちろん「い」「く」「た」の文字が。これは「いくたはら」なんですが、不思議なことに駅の中心ではなく、ちょいと南側(生田原温泉 ホテルノースキングの向かい)にあります。

植え込みの向こうには「きのこの里 いくたはら」の文字が見えます。どうやら工場っぽい建物のように見えますが、Google マップにピンが立ってないんですよね……。「きのこランド」という文字が見えますが、「きのこランド 生田原」でググると「閉業」の文字が……(地図に表示される位置が異なりますが、所在地のデータが精緻なものでは無いためだと思います)。

生田原駅(A53)

生田原駅に到着しました。ホームは左側です。

とても興味深いことに、生田原駅も旧・金華駅や相内駅、東相内駅と同じく 1 番線の左右にホームのある構造です(いずれもかつての「湧別軽便線」の駅ですね)。わざわざ 2 番ホームを 1 番線と 2 番線の間に設ける意味が今ひとつ理解できないのですが(相対式ホームの場合、2 番線の「向こう側」に 2 番ホームを設けるのが一般的)、1 番線の列車を構内踏切の手前に停車させた上で 2 番ホームでタブレット交換ができるというメリットがあったのでしょうか。

「きのこランド」の北隣には「オホーツク炭化センター」という建物があるのですが、こちらも Google マップにはピンが立っていません。1998 年 10 月に完成した……というところまでは確認できたのですが、その後 10 年ほどで破産した……という情報も見かけました(詳細は未確認ですが)。

もし 2007 年頃に操業を停止していたというのが事実であれば、その後ずーっと「オホーツク炭化センター」の名前を出したままだった、ということですよね。資金繰りに行き詰まったものの、いずれ再開できるだろう……という目論見だったのでしょうか。

峠の麓の要衝駅

特別快速「きたみ」生田原駅を出発しました。なんとか 2 番ホームの駅名標を撮影しておきたいところですが、代わりにこんなものが。「オホーツク炭化センター」とのツーショットです。

お目当ての駅名標も無事撮影できました。金華駅が信号場になってしまったので、西留辺蘂駅が隣駅になったのですね。

そう言えば……という話ですが、昔は常紋トンネルまでの上り勾配のために生田原で補機(補助機関車)を増結していたとのこと。駅構内には補助機関車の増解結用の線路(いわゆる「機回し線」)などもあったほか、「いくたはら」の植え込みのあたりには「転車台」もあったそうです。

2 番線と「オホーツク炭化センター」の間の空き地は、かつての側線や機回し線、貨物線などの跡みたいですね。

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