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レンタカーで父島一周 (14) 「都レンジャー!」

都道 240 号の「夜明道路」区間で左に道が別れていたので、左折して狭い道を進んだところ、1~2 分で終点に到着しました。終点は駐車場になっていて、2~3 台の車が駐車できるようになっています。そして駐車スペースには「先客」がいたのですが……

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2024 年 4 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

この軽自動車、よく見ると「TOKYO RANGER」のロゴが描かれています。小笠原ビジターセンターで紹介されていた「東京都レンジャー」の車のようです。まさかこんなところで実物にお目にかかるとは……!

ちなみに小笠原ビジターセンターの展示パネルにも、「父島レンジャー」のパネルには何故か軽自動車の写真が使われていたのですが……

よく見ると同じナンバーですが、ロゴの位置が異なりますし、何よりナンバープレートの色が異なります。東京都の車だけに、オリンピック特別仕様ナンバープレートに付け替えたということでしょうか。

実は旧道だった

ここは「長崎展望台」の最寄りの駐車場です。「おがまるパック」の父島観光オプション「バス半日観光」では「宮之浜園地」の次の立ち寄り地として設定されていました。ちょっと不思議なのが、「長崎展望台」の駐車スペースは普通乗用車 2~3 台が限界だと思うのですが、どんな車輌で回る予定だったのでしょうか……?(やはりハイエース?)

「長崎展望台」は兄島瀬戸とワシントンビーチを眺められる場所で、外輪山(ですよね)の外側の眺望を楽しめるところです。ただ駐車スペースからは外輪山の「内側」に相当する二見港や三日月山も眺めることができます。

現地では違和感をおぼえることは無かったのですが、よく見てみると平らな場所に草生しています。航空写真を見てみると……

あっ、これはもしかして……。ということで 1978(昭和 53)年頃の航空写真を見てみると……

(この背景地図等データは、国土地理院地理院地図から配信されたものである)

ああ、やはり。この駐車スペースは旧道だったのですね。不思議なことに二つのヘアピンカーブが改修されて直線になっています。こんな風にヘアピンを直線にしてしまうと勾配がキツくなってしまう筈ですが、どう折り合いをつけたのでしょう……?

ループ構造の「長崎トンネル」

ちなみに駐車スペースからも、外輪山の外側の海(兄島瀬戸の東側の海)を眺めることができます。

駐車スペースに来る際に通った道(かつての都道)の先にはトンネルも見えています。結構な高低差があるように思えますが、実はここから見えているのはトンネル(長崎トンネル)の入口ではなく出口です。トンネルだけでループ構造になっていて、高度を稼いでいるんですね。

「都レンジャー」は実在した!

前置きが長くなりましたが、「長崎展望台」に向かいましょう。階段を数名の人が下りてきたのですが、どうやら「都レンジャー」の皆さんのようです(思わず「お仕事お疲れ様です」と声をかけてしまいました)。

階段の登り口には「電信山線歩道案内図」の看板が立っていました。「2.7 km の歩道です」とあり、これだと 1 時間ほど歩くことになってしまいますが、よく見ると「宮之浜へ至る」とありますね。駐車スペースから長崎展望台までは 100 m も無いので一安心です。

案内板の横には杭が立っていて、用途・面積・借受人が明記されています。国有地を都が借り受けているということでしょうか。

とても良く整備された歩道

階段を上がります。三日月山園地の歩道とは違って非常に良い状態で、よく見ると右側に水路のようなものも整備されていますね。石が崩れないように鉄網で固定されています。

階段を上がった先で「電信山線歩道」と「長崎展望台」への道が分岐していました。

囲いの中に石が集められていました。もしかして……ですが、足下の土や泥を払うための石……でしょうか?

小笠原の固有動物・固有植物

この先に「長崎展望台」がある筈ですが、道が曲がっているため良く見えません。火山性っぽい岩が剥き出しになっていますね。

小笠原諸島森林生態系保護地域」という看板が立っていました(右下に「林野庁」の文字が見えますね)。

「小笠原の固有動物」として「アカガシラカラスバト」「オガサワラオオコウモリ」「オガサワラノスリ」が紹介されています。どれも小笠原世界遺産センターや小笠原ビジターセンターで紹介されていた種で、程度こそ違えどいずれも絶滅が危惧される種です。

「小笠原の固有植物」としては「ムニンヒメツバキ」「テリハハマボウ」「ムニンノボタン」「ムニンアオガンピ」「ムニンツツジ」が紹介されていました。

確認できただけでも「ムニンツツジ」と「ムニンノボタン」は絶滅危惧どころか絶滅寸前のようで、ムニンツツジは「自生個体は 1 株のみ」、ムニンノボタンも「自生個体は東海岸の実生株のみ」などとあります。極めて深刻な状態にあるようですね……。

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