Bojan International

旅行記・乗車記・フェリー乗船記やアイヌ語地名の紹介など

小笠原の旅 2024/春 (プロローグ) 「紆余曲折がありまして」

以前から漠然と「一度行ってみたいなぁ」と思っていた小笠原諸島に行くことにしました。ということで、まずは旅のプランニングからなのですが……

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2024 年 4 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

丸 6 日の小笠原旅行

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、小笠原諸島には民間の空港が無いため、島に向かうには小笠原海運が運航する「おがさわら丸」を利用するしかありません。「おが丸」の愛称で知られる「おがさわら丸」は一週間に一往復のみの運航で、出航してから戻るまで、最低でも 6 日が必要となります。

小笠原旅行には丸 6 日が必要になるということは……次のようなスケジュールを考えてしまうのですが……(突然のパワポ

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春の新日本海フェリー「あかしあ」スイートルーム "くちきり" 乗船記(下船編)

あかしあ」は、20 時を過ぎた時点で伊根町の沖合を航行していました。

あかしあ」と同型船の「はまなす」は、部屋の鍵が昔ながらのシリンダー錠なので、下船前に船員さんが各部屋を回ってルームキーの回収を行います。ルームキーの回収は概ね着岸の 1 時間ほど前なので、その後は部屋の施錠ができなくなります。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 5 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。


前日の 23:30 に小樽を出発した「あかしあ」は、21 時間かけてここまで移動してきたことになります。飛行機や新幹線と比べると遥かに遅いものの、船上でのんびり寛ぎながら、車と一緒に移動できるのはありがたいの一言ですよね。

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春の新日本海フェリー「あかしあ」スイートルーム "くちきり" 乗船記(夕食編)

いつの間にか 18 時を回ってしまいました。「あかしあ」はそろそろ三国町福井県坂井市)の沖合に近づきつつある頃でしょうか。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 5 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

夕食は 18:30 に用意されるとのことなので、時間通りに 5 甲板右舷にあるグリル「霞」に向かいます。

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北海道のアイヌ語地名 (1153) 「尺別・トンベツ川・シケレベ川」

やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院地理院地図から配信されたものである)
地図をクリックしたら地理院地図に飛べたりします。

尺別(しゃくべつ)

sak-pet?
欠いた・川
(? = 記録はあるが疑問点あり、類型あり)
(この背景地図等データは、国土地理院地理院地図から配信されたものである)

音別川の西隣を流れる川の名前で、尺別川はかつて音別川と合流してから海に注いでいました。JR 根室本線にも同名の駅がありましたが、2016 年時点で「極端にご利用の少ない駅」として名前が上がった後に 2019 年に廃止され、現在は「尺別信号場」となっています。

「乾いた・川」説

「北海道駅名の起源」には次のように記されていました。

  尺 別(しゃくべつ)
所在地 (釧路国)白糠音別町
開 駅 大正 9 年 4 月 1 日 (客)
起 源 アイヌ語の「サッ・ペッ」(かれた川)から出たもので、最初車扱貨物駅として開業したが、大正14年 2 月 1 日に一般貨物の取り扱いを開始し、昭和 5 年 4 月 1 日一般駅となった。
(『北海道駅名の起源(昭和48年版)日本国有鉄道北海道総局 p.127 より引用)

sat-pet で「乾いた・川」ではないか、という説ですね。1954 年版も確認しましたが同様の記述でした。

永田地名解 (1891) には次のように記されていました。

Sat pet   サッ ペッ   涸川 ○尺別村○水少クシテ鮭鱒上ラズ

完全に一致していますね。「駅名の起源」は永田地名解の記述を元にしたものだったのでしょうか……?

「夏・川」説

『東蝦夷日誌』(1863-1867) には次のように記されていました。

シヤクベツ〔尺別〕(晝所また止宿所にもなる、板くら、人足小や、土人二軒)名義は夏川也。或曰、夏に成哉、水乾く故號と。無別シヤリとも云、乾別サツテとも、夏別シヤリなり共云。
松浦武四郎・著、吉田常吉・編『新版 蝦夷日誌(上)時事通信社 p.295 より引用)

これも同じような内容に思えますが、よく見ると「夏川也」とあるので、これは sak-pet で「夏・川」ということになりますね。ただ「乾別」、つまり sat-pet で「乾いた・川」も異説として記されていて、また「無別」というのは sak-pet を「欠く・川」と解釈したのかもしれません。

なお余談ですが

此川風波の時は番屋前にて海に入り、晴天の時はヲンベツ〔音別〕と合て海に入る。
松浦武四郎・著、吉田常吉・編『新版 蝦夷日誌(上)』時事通信社 p.295 より引用)

どうやら松浦武四郎が旅した頃は、平常時は音別川と合流していて、海が荒れたときは(尺別川が)直接海に注いでいたみたいですね。

『三航蝦夷日誌』(1850) には次のように記されていました。

シヤクベツ。訳而夏川と云り。シヤクは夏也。ベツは川なり。
松浦武四郎・著 吉田武三・校註『三航蝦夷日誌 上巻吉川弘文館 p.362 より引用)

やはり sak-pet で「夏・川」ではないかとのこと。

ハイブリッド説

ただ加賀家文書『クスリ地名解』(1832) には次のように記されていました。

シヤクヘツ シャク・ヘツ 干・川
  此所に相応之川有。度々水干候故斯名附由。
(加賀伝蔵・著 秋葉実・編「加賀家文書」北海道出版企画センター『北方史史料集成【第二巻】』 p.254 より引用)

こちらは sak-pet を「乾いた・川」としていますが、sak は「夏」か、あるいは「……を欠いた」を意味します。「干上がった川」、つまり「乾いた・川」であれば sat-pet とすべきですが、「シャク」とある以上は sat だった可能性は低そうにも思えます。

河口が干上がった川を o-put-sak-nay(河口・口・欠いた・川)と呼ぶ場合がありますが、それと似た感じで何か(水か魚か河口か)を「欠いた・川」として sak-pet と呼んでいたものを、よりストレートな表現である「乾いた・川」を意味する sat-pet に由来すると考えた……あたりかもしれません。

北海道実測切図』(1895 頃) では「サッペッ」と描かれていました。この時点では既に加賀伝蔵が記録した「シャク」の音が「サッ」に変化していた、とも言えそうですね。

まぁ、夏枯れで水も魚もいなくなる川だとすれば、sak-pet であれ sat-pet であれ大差ないという話もありますが……。

トンベツ川

to-un-pe
沼・そこに入る・もの(川)
(記録あり、類型あり)
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北海道のアイヌ語地名 (1152) 「止若・ソウオンベツ沢川・雪乱山」

やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院地理院地図から配信されたものである)
地図をクリックしたら地理院地図に飛べたりします。

止若(とめわか)

yam-wakka
冷たい・水
(記録あり、類型あり)
(この背景地図等データは、国土地理院地理院地図から配信されたものである)

音別町チャンベツの北で音別川に合流する「萬の沢川」(かつて「タン子ナイ」と呼ばれた川)を遡った先に、「止若」という名前の三等三角点があります(標高 358.6 m)。面白いことに、この三角点は「とめわか」と読ませるそうなのですが……。

北海道実測切図』(1895 頃) を見てみると、「タン子ナイ」の北に「ヤㇺワㇰカ」という川が描かれていました(現在「クマの沢川」と呼ばれる川だと思われます)。yam-wakka で「冷たい・水」と解釈できます。

止若とめわか」という三角点の名前は「ヤㇺワㇰカ」に漢字を当てたものの、難読だったからか字に引きずられて「とめわか」に読みが変わってしまった可能性がありそうです。

この考え方の難点は、「クマの沢川」を遡っても「止若」三角点にたどり着けない(2 km ほど離れている)というところですが、南隣の「タンの沢川」を「ヤㇺワㇰカ」と誤認したとすれば説明がつく、かもしれません。

あるいは「タン子ナイ」(現在の「萬の沢川」)も「ヤムワッカ」だった可能性もあるかもしれませんが、その可能性を窺わせそうな傍証は見当たらないのが実情です。

ソウオンベツ沢川

so-{o-mu-pet}?
滝・{音別川}
(? = 記録はあるが疑問点あり、類型あり)
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春の新日本海フェリー「あかしあ」スイートルーム "くちきり" 乗船記(お風呂編)

そう言えば、昨日の記事で記し忘れたのですが、ランチは 12:30 に入店して、退店したのは 14 時を過ぎていました。

あかしあ」は能登半島の沖合に差し掛かっていました。あと 25 分ほどで舳倉へぐら島に接近することになります。右舷側だと高確率で電波が拾える地点なので、覚えておきたいですね。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 5 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

などと言いながら、折角の良い天気ですし、そろそろ風呂に入りたいなぁ……という機運が高まってきました。浴室はご覧の通りのオーシャンビューです!

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春の新日本海フェリー「あかしあ」スイートルーム "くちきり" 乗船記(昼食編)

12:30 になったので、5 甲板にあるグリル「霞」にやってきました。「春の彩々ランチ」はコース料理のようです。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 5 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

テーブルにはドリンクメニューが立てて置かれていて、その手前に「おしながき」が置かれています。

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