Bojan International

旅行記・乗車記・フェリー乗船記やアイヌ語地名の紹介など

釧網本線ほぼ各駅停車 (26) 「東釧路・釧路」

別保川を渡って釧路市に入りました。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 4 月~ 5 月時点のものです。新型コロナウイルス感染症パンデミックにより、各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。


釧網本線は右カーブを抜けた先で根室本線と合流します。間もなく東釧路駅なのですが……

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釧網本線ほぼ各駅停車 (25) 「釧路湿原・遠矢」

進行方向右側の車窓には、一面の雑木林が広がっている……ようにも見えてしまいますが……

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 4 月~ 5 月時点のものです。新型コロナウイルス感染症パンデミックにより、各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

良く見ると、大量の谷地坊主ヤチボウズが! これまでも何度も見かけたものですが、ここまで群生していた場所は無かったような気も……

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北海道のアイヌ語地名 (1009) 「ルツチヤル・伏古遠太・ハルタモシリ島・遠太」

やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院地理院地図から配信されたものである)
地図をクリックしたら地理院地図に飛べたりします。

ルツチヤル(ルッチャル)

rutu-us-sar???
押してずらす・いつもする・葭原
(??? = アイヌ語に由来するかどうか要精査)
(この背景地図等データは、国土地理院地理院地図から配信されたものである)

本別海の南から道道 475 号「風蓮湖公園線」を 2.5 km ほど入ったところにある四等三角点の名前です(標高 4.8 m)。選点は 1985 年 5 月で、1980 年代の土地利用図にも「ルッチャル」という地名?が描かれているため、当時は現役の地名だったことが窺えます。

「ルッチャル」と「ルエサンサル」

「陸軍図」にも同じ場所に「ルッチャル」と描かれていました。ところが不思議なことに明治時代の地形図には地名の記入がありません。更に時代を遡ると「東西蝦夷山川地理取調図」に「ルエサンサル」と描かれていました。

「ルエサンサル」はおそらく「ルエサニ」の親戚で、ru-e-san-sar で「路・そこで・浜へ出る・葭原」だと思われます。問題は「ルエサンサル」がいつの間にか(遅くとも大正時代に)「ルッチャル」に化けているという点なのですが、「ルッチャル」を素直に解釈すると rut-char で「崩す・口」あたりでしょうか。

ただ rut-ke で「崩れる」となるものの、rut 単独での用法は手元の辞書類では確認できません。rup-char で「氷・口」か……とも考えてみましたが、「ルッチャル」のあたりがそう呼ぶに相応しい特性を有していたかと言われると、今一つ確信が持てません。

押しずらす?

改めて辞書類を眺めてみると、rutu という語が複数の辞書で確認できました。例えば「アイヌ語千歳方言辞典」には次のように記されています。

ルトゥ rutu 【動 2】 ~を押しずらす。
(中川裕「アイヌ語千歳方言辞典」草風館 p.420 より引用)

また「アイヌ語沙流方言辞典」にも次のように記されています。

rutu ルトゥ【他動】...を押してずらす、持ち上げないで下を引きずりながら押して動かす。{E: to push along, drag...}
田村すず子アイヌ語沙流方言辞典」草風館 p.593 より引用)

ということで、「ルッチャル」は rutu-sar で「押してずらす・葭原」ではないか……と考えてみました。文法的にちょいと謎な感じもしますが、rutu-us-sar で「押してずらす・いつもする・葭原」と考えれば違和感も減少するでしょうか。

何を「押してずらす」のかと言えば、やはり丸木舟かな……と。つまり「ルエサンサル」も「ルッチャル」(ルツサル?)もほぼ同じニュアンスだったんじゃないか……という *想像* です。

伏古遠太(ふしことうぶと)

husko-to-putu
古い・湖・口
(典拠あり、類型あり)
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北海道のアイヌ語地名 (1008) 「平糸・清丸別川」

やあ皆さん、アイヌ語の森へ、ようこそ。

(この背景地図等データは、国土地理院地理院地図から配信されたものである)
地図をクリックしたら地理院地図に飛べたりします。

平糸(ひらいと)

pira-etu
崖・鼻(岬)
(典拠あり、類型あり)

茨散沼の西北西にある牧場の敷地内に「平糸台」という名前の一等三角点があります(標高 26.4 m)。別海町には「平糸台」三角点のほか、「平糸」という名前の四等三角点が何故か二つもあり、どれも 10 km 以上離れていたりします。

似たような名前の三角点が複数存在するのは良くある話ですが、ここまで離れているのは珍しいのではないかと。

明治時代の地形図を見てみると、ニショパラペッ(=西丸別川)の河口付近に「平糸」と描かれています。現在は「別海町本別海」の北部という扱いですが、昔はこのあたりが「平糸村」だったとのこと。

永田地名解にも次のように記されていました。

Pira etu   ピラ エト゚   崖鼻 山崎ノ義○平絲村

どうやらかなりストレートな地名だったようで、pira-etu で「崖・鼻(岬)」とのこと。鎌田正信さんの「道東地方のアイヌ語地名」にも次のように記されていました。

かつて、この辺から当幌川・春別川・床丹川流域はピラエトゥの当て字の平糸が、明治 5 年(1872)から大正 12 年(1923)の村名であった。同 12 年に別海村の大字であったが、昭和 47 年(1972)にこの大字も廃止された。
(鎌田正信「道東地方のアイヌ語地名【国有林とその周辺】」私家版 p.369 より引用)

ふむふむ。どうせだったらこのあたりの情報が充実している「角川日本地名大辞典」も見ておこうか……ということで。

昭和 47 年 1 月 1 日大字が廃され,字中西別・床丹・美原・豊原・大成・本別・尾岱沼(おだいとう)・尾岱沼港町・尾岱沼岬町・尾岱沼潮見町・上春別・上春別南町・上春別栄町・上春別旭町・上春別緑町・中春別・中春別東町・中春別西町・中春別南町・西春別宮園町・西春別清川町・西春別昭栄町・西春別幸町・西春別本久町・西春別駅前柏町・西春別駅前曙町・西春別駅前西町・西春別駅前寿町・西春別駅前栄町・西春別駅前錦町・西春別・別海・本別海となる。
(「角川日本地名大辞典」編纂委員会・編「角川日本地名大辞典 1 北海道(上巻)」角川書店 p.1259 より引用)

うわ、これは……。別海町北部にある「平糸ひらいと」四等三角点の所在地は「北海道野付郡別海町大字平糸村字春別原野6360番地の14」で、現在は「別海町中春別」に含まれるとのこと。

標津線・平糸駅の近くにあった「平糸ひらいと」四等三角点の所在地は「北海道野付郡別海町中春別 336 番地 6」で、これも「別海町中春別」……ということは、かつての「大字平糸村」と考えられます。「平糸台ぴらいとだい」一等三角点の所在地も「北海道野付郡別海町床丹 1 番 55」なので、かつての「大字平糸村」ということになりますね。

「平糸」は、別海町のほぼ北半分を占める大字だったものが、大字が廃されたことで、現在は標津線・平糸駅跡近くのバス停の名前になってしまった……ということのようです。

しかも「平糸駅」は「大字平糸村」に由来するので、本来のアイヌ語の地名とは随分と離れている点にも注意が必要です。おそらく平糸駅(跡)の近くには pira-etu は見当たらないと思われるので……。

清丸別川(きよまるべつ──)

kim-un-para-pet?
山(側)・にある・広い・川
(? = 典拠あるが疑問点あり、類型あり)
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釧網本線ほぼ各駅停車 (24) 「細岡」

再び、釧網本線のすぐ傍に釧路川が近寄ってきました。このアングルだとどれが本流なんだか良くわからないことになっていますが……

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正解は「どれも本流」でした。巨大な S 字カーブを描いていて、S の書き順と同じ向きに流れています。やっぱ平野部の大河は極端に曲がりくねっていて、至るところに河跡湖がないと……!

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釧網本線ほぼ各駅停車 (23) 「塘路」

釧路行き快速「しれとこ」はシラルトロ湖の傍を通過して、快調に走り続けています。

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沼! 沼! 沼!

今度は進行方向右側に沼が見えてきました。この沼は「サルルントー」でしょうか。

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釧網本線ほぼ各駅停車 (22) 「茅沼」

五十石駅」跡を通過すると、右側に川が見えてきました。これは……釧路川ですね!

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放水路の謎

先程の写真は、厳密には旧河道かもしれませんが、こちらは正真正銘の釧路川……でしょうか。

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