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続・トンネル掘ったけど色々あってホントにごめんなさい

トンネル掘ったけど色々あってホントにごめんなさい(つづき)

「トンネル掘ったけど色々あってごめんなさい」シリーズ第 2 回です。って、いつまでやるんでしょうコレ(←

第 2 回「高森トンネル」

えーと、次は熊本県の高森トンネルについて。高森トンネルは、熊本と延岡を結ぶ予定だった鉄道路線用のトンネルとして、1970 年代に掘削されたトンネルです。

鉄道敷設について
日清戦争の直後、軍事産業路線として熊本県と宮崎県延岡市を結ぶ九州横断鉄道敷設の話が持ち上がり、国鉄が延宇線(宇土 - 延岡)を計画したり、熊延鉄道が熊本 - 延岡を結ぶ鉄道敷設を目的として設立されたりするなどその気運は高まった。しかし、いずれも実現には至らなかった。その後 1922 年の改正鉄道敷設法で熊本 - 立野 - 高森 - 高千穂 - 日ノ影 - 延岡という鉄道計画が最終案となり(熊本 - 立野間は豊肥本線)、同年高森線(現・南阿蘇鉄道高森線)立野 - 高森間の工事が着手された。
Wikipedia 日本語版「高千穂鉄道高千穂線」より引用)

てな感じで、完成していれば熊本と延岡を結ぶ九州横断路線となる筈でした。まぁ、その後もあーだこーだで色々あって(略しすぎ)、結局

戦後の 1947 年、地元で「日ノ影高森間鉄道敷設期成同盟会」が結成され、この鉄道の全線貫通を国に請願したことから、1962 年鉄道審議会が日ノ影 - 高森間の建設を決定した。1966 年に日本鉄道建設公団(以下「鉄道公団」と略)によって日ノ影 - 高千穂間の敷設工事が着工され 1972 年に完成、残る高千穂 - 高森間 23.0km の工事も 1973 年に着工、1977 年完成を目指して工事が進められた。
Wikipedia 日本語版「高千穂鉄道高千穂線」より引用)

てな感じで、採算が取れるかどうかびみょうな路線の工事が始まったわけです。

水ぅがぁ~、出た出たぁ~、水がぁ~出たぁ~

ところが……

ところが 1975 年 2 月、掘削中の高森トンネル(予定延長 6500m)の入口から 2050m 地点の坑内で、地下水の水脈を切断してしまったために毎分 36t の異常出水が発生
Wikipedia 日本語版「高千穂鉄道高千穂線」より引用)

はい来ましたー。こちらも異常出水に見舞われてしまったわけです。「なーんだ昨日の『中山トンネル』とネタかぶってんじゃん」と思われたかもしれません。いや、実際にかぶっているのも確かなんですが(←)、いやいや、ここからが違います。展開がより Get Wild and Tough になります(←←

これにより高森町内の湧水 8 ヶ所が枯れ、井戸水を使用していた約 1,000 戸もの家庭で水道が断水するという事故が起きた。
Wikipedia 日本語版「高千穂鉄道高千穂線」より引用)

はい。ついに断水騒ぎになってしまったのですね。で、どーなったかと言うと

そのため鉄道公団側はトンネルからの水をポンプで吸い上げ、町内の家に配水するよう処置したが、被害は町内の水田約 113ha にも及んだ。
Wikipedia 日本語版「高千穂鉄道高千穂線」より引用)

飲み水だけではなく、日本の農村ですから水田にも潤沢に水を供給する必要があったわけで(だから「通潤橋」とかを造ったわけですよね)。大変なことになってしまったわけです。

翌年トンネル工事は一時中止となり、事故を巡って鉄道公団と地元との補償交渉が開始され、事故から 10 年以上経った 1989 年に補償協定が成立した。
Wikipedia 日本語版「高千穂鉄道高千穂線」より引用)

結局、工事は凍結となってしまったわけです。しかも、

この出水事故が最大の要因となり鉄道敷設工事は中断のまま、その後の 1980 年国鉄再建法成立により工事予算が凍結され、全面的に中止となった。高千穂 - 高森間の工事の進捗率は 30% であったが、当時鉄道公団高千穂鉄道建設所の話では「あと 7 年あれば全線開通出来る」状態であったという。
Wikipedia 日本語版「高千穂鉄道高千穂線」より引用)

というわけで。気がついた頃には国鉄もバラバラに解体されていましたとさ。

その後の高森トンネル

で、問題の「高森トンネル」のその後を、できれば田口トモロヲの声で……(まだ言うか

異常出水により工事中断となった高森トンネルは、無償譲渡を受けた高森町が親水公園として整備を行い、現在は掘削された 2055m の内 550m が「高森湧水トンネル公園」として一般に開放されている。
Wikipedia 日本語版「高千穂鉄道高千穂線」より引用)

高森町観光協会さんの Web サイトにも案内があります。

湧水トンネル公園
湧水トンネル公園は高森駅の南側、歩いて 10 分のところにあります。旧国鉄高森線と高千穂線を結ぶ工事が昭和 48 年 12 月から着手されましたが、昭和 52 年 2 月、突然トンネル工事で大量の出水に見舞われ、その後も度重なる出水事故が発生して中断となり、その結果、今は高森町の貴重な水源地となっています。

トンネルの長さは 2,055 メートル。常時、毎分 32 トンの湧水量があり、この大量の湧水を利用して公園化されました。トンネル内 550 メートルが開放されていて、奥には流れ出る美しい水玉が落ちたり登ったりと不思議な動きをする「ウォーターパール」があります。トンネル内はひんやりと涼しく、夏は納涼スポットとして人気。夏は「七夕まつり」冬は「クリスマスファンタジー」のイベントが開催され、トンネル内は美しく幻想的な雰囲気に包まれます。

【開園時間】4 月~10 月 9:00~19:00 /11 月~3 月 9:00~18:00
【入園料】大人300円・子供100円
【休園日】なし(年中無休)

てな感じで。旅はぁ~まだぁ~、終わら~ないぃ~♪(←

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