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日高本線代行バスで各駅停車 (4) 「西様似・鵜苫」

静内行きの日高本線代行バス様似駅前(様似駅)を出発して国道 336 号に入りました。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 5 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

正面に様似のランドマーク(と言っていいですよね)である「エンルム岬」が見えてきました。中々の威容ですね……! 麓にある「エンルム岬」三角点の標高は 27.4 m ですが、岬そのものは最も高い地点で 71 m ほどあるとのこと。

「エンルム岬」の手前にいかにも廃道っぽい道が見えていますが、実はこれが国道 336 号の旧道とのこと。かなり遠回りかつ急カーブだったものを、緩やかなカーブでショートカットするように作り替えたようです。

等澍院

「エンルム岬」の近くの右カーブを抜けると、今度は前方にちょっと目立つ形の山が見えてきました。この山は「観音山」という名前のようで、蝦夷三官寺(北海道最古の寺院)の一つ「等澍院」はこのあたりにあったようです。

かつては「様似村」の役場もこのあたりにあったみたいですが、手狭になったからか、あるいは鉄道(日高本線)のルートから外れたからか、現在は様似駅の近くにあります。

左側は漁港なのですが、国道からは 100 m ほど離れていることもあって、漁港っぽい雰囲気は殆ど見られません。様似漁港はエンルム岬の北西にあるのですが、エンルム岬の北西、観音山の南に岩礁があったらしく、この岩礁を取り込む形で埋立地と防波堤が形成され、現在の形になったとのこと。

防波堤の西側は砂浜が広がっていて、沖合に 3 つの岩礁と陸地のすぐ近くにも岩礁が見えます。3 つの岩礁が「親子岩」で、陸地のすぐ近くにある岩礁は「塩釜ローソク岩」という名前なのだそうです。

現金で地下鉄に乗り継ぎのお客様は

運賃表の行先表示が「次は『鵜苫』」に変わりました。いつの間にか「西様似」を通り過ぎていたようですが……

それはそうと、この運賃表です。「現金で地下鉄に乗継のお客様は──」とあるということは、このバスは宮の沢(札幌市西区)のあたりを走っていた可能性がありそうですね。ジェイ・アール北海道バスの様似営業所も、流石に日高本線代行バスを走らせるだけの余裕は無かったということ……でしょうか?

西様似駅

日高本線の線路は様似駅の西側で山手に向きを変えて、等澍院や観音山のあたりを避ける形で冬似川沿いに出ていました。西様似駅も国道から 450 m ほど離れたところに存在していたのですが、代行バスの「西様似駅」は国道沿いの「西町」バス停と同じ位置に設定されていました。

なお現在は「西町」バス停から「様似西町」バス停に改称したようで、バス停の丸板もツバメマークのものに変更されています。

親子嫌

海辺うんべ川を渡ります。沖合の「親子岩」は結構なインパクトがありますよね。

あまりのインパクトに何枚も写真を撮ってしまったのですが、この「親子岩」、空中写真を見た感じでは元々は一枚岩で、海面から顔を出している部分だけが波でじわじわと削られている……ようにも見えますね。「平べったい岩礁」を意味する kapar-sirar という語がありますが、なるほどこうやって形成されるのかな……と言った感じもあります。

塩釜トンネル

前方に岩山が見えてきました。鞍部にはトンネルの入口も見えています。

「塩釜トンネル」に入ります……が、あれっ?

なんだか随分と小さなトンネルも見えます。鉄道のトンネルにしても小さいですし、そもそも日高本線はこのあたりを通っていないのですが、乗用車一台が通るのがやっとっぽいこのトンネルは、旧道のトンネルなんでしょうか……?

鵜苫駅

「塩釜トンネル」を抜けて西に進み、冬似ぶゆに川を渡ると鵜苫です。いつの間にか日高本線が国道のすぐ北に来ていました。車掌車を改造した駅舎ですが、割とカスタマイズが入っていたっぽいですね。

代行バスの「鵜苫駅」は日高本線鵜苫駅」のすぐ近くにある「鵜苫」バス停に併設されていました。

列車代行バスのバス停には、蛍光色のオレンジの上に黒い文字で「駅名」が書かれたサインが設置されているようですね。発想が鉄道っぽいのが面白いところです。

【おことわり】本記事内の写真は以下の目的のために Adobe Firefly の生成 AI による生成塗りつぶしを使用しているものがあります:ダストノイズ除去

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