Bojan International

旅行記・乗車記・フェリー乗船記やアイヌ語地名の紹介など

道東の旅 2011/春 (179) 「『静かで平和な川の上流』の消失」

「静かで平和な川の上流」の消失

占冠村に入りました。

思えば、アイヌ語関連の記事を書くようになったきっかけの一つが、ここ「占冠村」だったのを思い出します。「『静かで平和な川の上流』は実在するのか?」という記事で、Wikipedia の「占冠村」の記事の内容に疑問を呈したものでした。ただ幸いなことに、いつの間にか……

村名の由来はアイヌ語の「シ・ムカプ」(鵡川の本流)から。
Wikipedia 日本語版「占冠村」より引用)

……という感じに改良?されていました。ありがたいことです。

4 車線化は「夢のまた夢」?

さて、トマム IC も通過して、比較的最近に開通したところを走っているのですが、

この堀割を見ていると、4 車線になるのは随分先になりそうな予感がしますね。

前方に見えるのは……もしかしたら夕張岳でしょうか? まだ結構雪が残っていますね。

そして、何度も見かけたワンボックスカーの姿も見えますね。:)

土木技術の進歩が可能にした「直結ルート」

前方に巨大なスノーシェッドが見えてきました。道東道の上を通っているのは JR 石勝線ですね。

石勝線が開通したのは 1980 年代と記憶していますが、この線が開通したおかげで、札幌から帯広・釧路へのルートがガラッと変わってしまったのには驚いたものでした。

確か、札幌から帯広に鉄道を敷設するにあたって、田辺朔郎が実地検分をしてルートが決められた……という話があったかと思います。田辺が選んだのは、札幌-旭川富良野-帯広という大回りルートだったと記憶しているのですが、それと比べると、現代の占冠村経由のルートは相当ショートカットしていることになりますね。

やっぱり「夢のまた夢」?

で、その JR 石勝線をアンダーパスする部分ですが……

うーん……。これまた 4 車線化は随分と先のような感じですね(笑)。

もはや渾然一体

トマムから占冠にかけても、途中からトンネルが続きます。

まず「下トマムトンネル」を通って、次が……

「ホロカトマムトンネル」です。アイヌ語地名に由来するトンネル名が続いて、なんだか嬉しくなるのですが……

次が「滝の沢トンネル」でした。まぁ、しょうがないですね(笑)。これは近くを流れる「滝の沢川」に由来するのだと思うのですが、おそらく、昔は「ソーウンナイ」(滝・そこにある・川)といった名前だったのかも知れません。

その次にやってきたのが……

「東占冠トンネル」でした。もはやアイヌ語と日本語が渾然一体となってしまっていますね(笑)。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International