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日本最長路線バスの旅 (4) 「国鉄五新線」

八木新宮線の路線バスは JR 和歌山線の五條駅前にやってきました。何とも地味な建物ですが、これはこれで味わい深くていいですよね。五條駅からも、何人かお客さんが乗車してきました。

南朝ゆかりの地

JR 五條駅を出発して、吉野川を渡ると、程なく左手から「バス専用道」が分岐してゆきます。丹生川沿いの国道 168 号を南下していくと、程なく「賀名生梅林」で有名な賀名生(あのう)に到着です。この辺は南朝吉野朝廷)に縁のある土地ですね。

国道 168 号は、蛇行する丹生川に沿って律儀にカーブを繰り返していましたが、あまりに蛇行が過ぎたか、ついに橋とトンネルでバイパスするようになりました。もうすっかり山の中ですね。

幻の「国鉄五新線」

バスは間もなく「城戸」(じょうど)に到着です。城戸と言えば……そう、アレですね。

側方に、何やら橋が見えてきました。そう、これこそが幻の「国鉄五新線」の遺構です。映画「萌の朱雀」で一躍有名になったものですね。

この写真を撮影した時点(2014 年 6 月)では、この橋は現役の「バス専用橋」でした。五新線の工事が途中でストップしてしまい、途中まで完成していた路盤は「バス専用道路」として整備されて、「専用道城戸」まで国鉄バスが走っていたのですが、国鉄バスを引き継いだ JR バスはその後撤退し、後を引き継いだ奈良交通も、施設の老朽化を原因に 2014 年の秋に路線を廃止してしまったのでした。

新天辻トンネル

八木新宮線の路線バスは、天辻峠(新天辻トンネル)を目指して坂を登り続けます。ほぼヘアピン状のツイスティなカーブが続きます。

長さ 1,174 m の「新天辻トンネル」に入りました。このトンネルが完成したのは 1959 年とのことで、当時としては結構な規模のトンネルだった……と思ったのですが、よく考えたら近鉄の(旧)生駒トンネルが 3,388 m もあったので、それと比べると大したことは無かったですね……。

にくの星

トンネルを抜けると……ん、「にくの星」って?

あ。「ようこそ星のくに」でしたね(汗)。

今は市町村合併で「五條市大塔町」になっていますが、かつて天辻峠の南側は「大塔村」という村でした。新天辻トンネルを抜けてすぐのところに「大塔コスミックパーク『星のくに』」という、天文台や宿泊施設のある公園があります。間違えても「にくの星」では無いので注意しましょう(まず自分からね)。

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