旭川行き 328D は北比布駅を出発しました。車窓からは相変わらず雄大な大雪山の姿を眺めることができます。
比布町内の宗谷本線は、左右に鉄道林っぽい用地が確保されているように見えます。ただ「防風林」と呼ぶにはちょっと木が少ない印象も……。
比布駅(W34)
18:07 に 328D は比布駅に到着しました。2 面 2 線の構造で、進行方向左側(東側)の待避線側に駅舎があります。ホームは左側にあるので、なんとか駅名標を……と思ったのですが……
比布駅は現在の蘭留駅と似た構造ですが、千鳥式ホームでは無いという大きな違いがあります。1 番のりばの向かい側に 2 番のりばがあるので、ゆっくりと駅名標を撮影することができたのでした。
「本場の味」も無事確保に成功しました。
比布駅の駅舎は、このあたりでは珍しく JR 北海道の発足時には改築されず、2016 年 3 月に新駅舎の供用が開始されたとのこと。なんか雰囲気の良さそうな駅に見えますが、出来たてホヤホヤだったんですね。
名寄行き 331D
2 番のりばに名寄行きの 331D が入線してきました。列車交換を行う場合は 2 番のりばに名寄・稚内方面の列車が入線するようですが、列車交換を行わない場合はその限りでは無いとのこと。
名寄行きの 331D が一足先に出発しました。331D が一分早く出発するダイヤになっているようです。
2 番のりばと 1 番のりばの間は跨線橋で行き来する構造です。必ずしも全ての名寄・稚内方面の列車が 2 番のりばを使用しない(らしい)のは、列車によっては跨線橋を使用せずに乗降できるように 1 番のりばを使用している……のかと思ったのですが、どうなのでしょう。
「本場の味」へようこそ
328D は比布駅に 4 分停車した後、予定通りに比布駅を出発しました。跨線橋が見えますが……あっ!
なんと、こんなところにちゃっかりと「本場の味」が!
あと「旭川方面乗車口」の案内も見えるのですが、駅舎から離れた 2 番のりばから旭川方面の列車が発着するというのは、ちょっと不思議な感じがします。比布駅には 1 日 4 往復の折返し列車が設定されているのでその関係かもしれませんが、本線で折り返すというのもちょっと妙な感じが……。
跨線橋の謎
2 番のりばの南側にはホーム跡と思しき場所があり、駅名標が設置されていました。比布駅もかつては千鳥式ホームだったのかな……と想像してみたのですが、ちょっと妙なことがわかりました。
Wikipedia の「比布駅」には「1955年(昭和30年)1月31日:跨線橋完成」とあり、実際に 1963 年の航空写真には、現在と同じ位置・同じ向きに跨線橋が存在していることが確認できます。
ただ、1948 年に米軍によって撮影された空中写真を見ると、現在の位置よりもやや北側に、西側のホームの階段のみ逆向きに設置された跨線橋が存在しているように見えます。
比布駅もかつては千鳥式ホームだったんじゃないかという推測を裏付ける物証と言えそうですが、Wikipedia に「出典」として記載のある「広報ぴっぷ 2015 年 5 月号」には「(昭和)30 年 1 月 31 日には跨線橋が完成」と記されていて、びみょうにミスリーディングな感じを受けます(それまで存在していたと思しき跨線橋について記載が無い)。
まぁ「それが何やねん」と言われると、返す言葉が無い程度の話なんですけどね。
南比布駅(W33・2021/3/13 廃止)
比布駅を出発した 328D は、3 分ほどで次の「南比布駅」に到着しました。
南比布駅は 1955 年に仮乗降場として設置されて、4 年後の 1959 年には早くも駅に昇格しています。仮乗降場からスタートしたこともあり、ホームはウッドデッキ構造です。
南比布駅は、仮乗降場として設置されたのも駅に昇格したのも北比布駅と同時でしたが、2016 年には一日平均乗車人員が 10 名以下の「極端にご利用の少ない駅」にノミネートされていて、奇しくも北比布駅と同時の 2021 年 3 月に廃止されてしまいました。
北比布駅の一日平均乗車人員は「1 名以下」だったのに対して南比布駅は「10 名以下」で、北比布駅には一日 4 往復が停車していたのに対して南比布駅には 6 往復が停車するなどの違いはあったものの、最初から最後まで運命をともにした風に見えるのは面白いですね。
例によっておそろしくブレていますが、この駅舎の形も北比布駅とそっくりだったようです。
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