織物と QBK の関係について(←
えー、昨日は所要時間 5 分の記事で大変失礼しました。今日はしっかりと頑張って文章も書きますので!(ほどほどにね)
相変わらず引き続き、北海道は沙流(さる)郡平取(びらとり)町二風谷(にぶたに)にある、「萱野茂二風谷アイヌ資料館」の敷地内に復元されている「チセ」(家屋)をうろうろと眺めていた時の話です。「チセ」にも色々あって「ポンチセ」(小さい・家屋)や「ポロチセ」(大きい・家屋)なんかがあるのですが、とある「ポロチセ」の前にこんな看板がありました。
写真が下手くそなせいで文章が読めないと思いますので、引用してみます。
■ チ セ
チセは「チ=我ら、セツ=寝床」という意味で、アイヌ民族の伝統的な家屋です。ふつう三間と四間、あるいは二間と三間の一間作りが基本の形で、屋根も壁も萱で葺きます。部屋のまん中あたりにはアペオイ(いろり)があり、神々の中心であるアペフチカムイ(火の神)の寝床として大切にしました。部屋の奥の正面にはロルンプヤㇻ(上の窓)と呼ぶ窓があり、これはほぼ南東に向いていて、その窓の外には神まつりのときのヌササン(祭壇)があります。
古代織……とは?
さてさて。看板の下には「古代織 自由にお入り下さい」と書いてあります。一体何があるのでしょうか。
おお。このチセの中にはいろいろなものがディスプレイされています。
衣服も何着もかけてあります。
いろり(アペオイ、ですね)のところには、何かが吊してあります。……木の皮ですね。「オヒョウ」の皮だったり、あるいは「シナ」の皮だと思います。なんでそんなことが判るのかと言うと……
そう、この方が懇切丁寧に教えてくださったのでした。もちろん、ただの売り子の人……ではありません。とても柔和な笑顔に後光が差しているように見える(単なる逆光だし)この方が藤谷るみ子さん。実際にアツシ(アットゥㇱ)織りをされる方で、昔ながらの技法で織物を製作・販売されてらっしゃいます。
自分で動かないと得られないものもある
とても気さくな方で、「オヒョウ」と「シナ」の質感の違いとか、いろいろなことを教えてくださいました。物の本には「オヒョウニレ(楡)」と書いてあることが多かったので、生半可な知識で「オヒョウニレ」と言ってみたのですが、どうやらそんな屋上に屋を架すような言い方はしないようで、「オヒョウ」だけで通じるのだ、ということがわかりました。どんな些細なことだったとしても、フィールドに出てみることで初めて得られる知見があるものなんだな、などと妙に満足したり……。
ちなみに、「オヒョウ」と「シナ」の違いですが、「オヒョウ」のほうが随分と質感がしっとり(やわらか)しています。ですので、その樹皮を剥いで糸を撚ったとしても基本的な性質は変わらないようで、やわらかな触感の衣服ができあがるそうです。
「じっくりと見ていってくださいね。見たら絶対買わないといけない、なんてことはありませんから」と仰っていたので、お言葉に甘えてじっくりと「店内」を拝見させてもらったのでした。
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