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秋の道南・奥尻の旅 (105) 「石崎漁港トンネル」

引き続き国道 228 号を北上して、上ノ国町石崎にやってきました。石崎の手前にあった小砂子では、集落を通らずにバイパスを通ってしまったので、久しぶりに集落にやってきた感じがしますね。

上ノ国町石崎には、「石崎川」という町内でも有数の規模の川が流れています。石崎川にかかる国道の橋の名前は「石崎橋」……。そのまんまでしたね。

石崎漁港トンネル

ところで、石崎と言えば、あるもので有名だったのでした。地形図をよーく見ると、灯台の下にトンネルがあるのがわかるかと思います。

(この背景地図等データは、国土地理院地理院地図から配信されたものである)

実はこのトンネル、車や歩行者のためのトンネルではなく、船のためのトンネルだったのでした。その名も「石崎漁港トンネル」というもので、高さ 24 m ほどの尾根の下をトンネルが通っていて、漁港から漁船がこのトンネルを通って日本海に繰り出していったのだそうです。

石崎漁港は、西側にこの尾根があるため、西からの風を受けることが無い、天然の良港とも言えるものでした。ただ、海への開口部に石崎川の河口があり、河口は河川によって運搬された土砂が堆積しやすいことから、漁港と川に堤防を築くことにしたのだと思われます。

ただ、漁港と川の間に堤防を築いてしまうと、外海への出口を失ってしまうので、代わりにトンネルを掘ったということのようです。トンネルがあるので自由に外海と出入りができて、しかもトンネルの上には尾根(岬)があるので漁港が強風に晒されることも無いという、この上なく良いことづくめだったようです。

もっとも、後に漁船の大型化が進んだ結果、この「石崎漁港トンネル」は手狭になってしまい、現在は地形図にあるように岬の北側に開口部が設けられています。もはやトンネルの中を漁船が通ることは無いようですが、トンネル自体は健在で、国の登録有形文化財の指定を受けているのだとか。

……などと言うことを事前にちゃんと把握しておけば、見に行ったんですけどねぇ(汗)。

グッと来る S 字カーブ

石崎漁港のある石崎川の西側から石崎橋で川を渡った先に石崎の集落があります。石崎漁港がある関係か、国道は石崎橋のあたりではやや内陸部に寄っていますが、集落を抜けると再び海沿いの定位置に戻ります。隣町の江差まであと 25 km です。

国道 228 号は概して良く整備されているのですが、これはなかなかグッと来る眺めですね。左側は使用されなくなった旧道が放置されています。緩やかに右にカーブしながら坂を駆け上がる橋(長内橋)が格好いいですよね。

海の向こうには奥尻せたな町大成のあたりが見えます。

国道 228 号は、再び少しずつ高度を上げてゆきます。

ちょっとだけ不思議な眺め

上ノ国町汐吹にやってきました。かつては国道も汐吹集落とその先にある扇石集落の中を通っていましたが、現在は高台にバイパスができたため、集落に向かうにはこの交叉点を左折しないといけません。

それにしても、少々不思議な眺めですね。右側に階段が見えるのですが、階段を登った先にも道路がありそうにも見えます(実際には無いみたいですが)。より直截に言えばまるで線路の跡の土手のようにも見えるのですが、どういうことでしょうね。

木の子(きのこ)

高台を走る国道 228 号のバイパスは、汐吹、扇石の各集落に続き、木の子集落もバイパスします。

ちなみにこの「木の子」ですが、「きのこ」と読むようです。あまりにそのまんまでしたね……(汗)。

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