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紀勢本線各駅停車 (19) 「紀伊田辺」

紀伊田辺行きの 2353M は芳養はや駅を出発しました。次は終点の紀伊田辺です。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2016 年 6 月時点のものです。列車の時刻や使用する車輌・番線などが現在とは異なる可能性があります。

御坊から紀伊田辺までは各駅停車で 42 分ほどで、2353M は特急の通過待ちがあったので 47 分かけて走っています。和歌山から御坊まではちょうど 60 分だったのですが、駅の数が少ないこともあってか、御坊から紀伊田辺までは割とすんなりと来てしまった感がありますね。

田辺市の市街地に入りました。家屋が密集しているように見えますが、これでもところどころに農地のあるエリアです。紀勢本線の線路はこの先大きく右にカーブしていて、紀伊田辺駅はこの写真の右側奥のほうにあります。

会津川を渡ります。和歌山県なのに「会津」と言うのも不思議な感じがしますが、「左会津川」と「右会津川」が合流して「会津川」となって海に注いでいるとのこと。東側を流れるのが「左──」というのは平城京平安京にも通じますね。

紀伊田辺駅

線路脇に線路跡っぽい空き地が見えてきました。間もなく紀伊田辺駅です。

踏切のあたりでは線路跡っぽい空き地がそのまま残っていますが……

空き地は程なくして「JR パーキング」に化けていました。駅チカの空き地は駐車場にしてしまうのが最も手早く収益化できるということなんでしょうね。パーク&ライドを推進する上でも「駐車場」が持ち駒にあるのは大きいでしょうし。

紀伊田辺駅の 1 番ホームが見えてきました。現在の紀伊田辺駅は 2 面 3 線構造ですが、「国鉄型配線」とは違って 2 番線が上り本線で、3 番線が上り待避線となっているように見えます。

安全の塔

ところで、この「安全の塔」が気になりますね。紀伊田辺駅の構内で大きな事故があったという話は聞いたことがありませんが、1945 年 7 月に米軍の機銃掃射で 1 名が亡くなったという話があるようなので、その関連なんでしょうか。ただそれだと「安全の塔」というネーミングがちょっとよくわからないことになるような……。

謎の屋根

そして「安全の塔」よりも気になるのがこの屋根で……。どうやら市立の駐輪場っぽいのですが、この屋根がいかにもホームの上屋のように見えるんですよね。

場所は 1 番線から見て海側で、駅舎の和歌山・御坊側です。頭端式の貨物ホームがあってその屋根だったのではないか……と考えたくなるのですが……。

謎の屋根は歩行者・自転車用の跨線橋の手前でプッツリ切れていました。跨線橋の建設に合わせてカットされたように見えますね(まるで「越川橋梁」みたい)。

田辺市ゆかりの人々

2353M は定刻通りに終点・紀伊田辺に到着しました。1 番線には特急「くろしお 18 号」が到着したようです。

1 番のりばには「田辺市ゆかりの人々」というパネルが置かれていました。南方熊楠がいるのは想像がつきましたが(右上)、ちゃんとした写真を撮影していなかったのであとは判別が難しいですね……。中段の左から 3 人目は「武蔵坊弁慶」に見えますが、どうやらその通りのようでした。

答え合わせをしますと、左上から「植芝 盛平もりへい(武道家)」「南方 熊楠(博物学者)」「脇村 義太郎よしたろう(経済学者)」「山本 玄峰げんぽう(禅僧)」「武蔵坊 弁慶(僧衆)」「野長瀬 晩花(日本画家)」「小川 琢治(地質学者)」「鳥山 ひらく博物学者)」「高川 かく囲碁棋士)」「片山 哲(元内閣総理大臣)」とのこと。小川琢治小川環樹湯川秀樹のお父さんですね。

新宮行き 2333M

さて、各駅停車に話題を戻しましょう。紀伊田辺からは 2333M で新宮に向かうことになるのですが、なんと早くも 3 番線に入線済みでした。

2333M の出発までは 30 分以上あるのですが、これを逃すと次の各駅停車はなんと 3 時間 41 分後です(ちなみに 2333M の前の各駅停車は 2 時間 31 分前)。ここからは JR 西日本の得意技でもある「日中は 3 時間に 1 本」なんですよね。

ゆっくりと駅構内を見物しても良かったのですが、何しろ 3 時間に 1 本の電車ですから、それなりに乗客がいるかもしれません。ということでそそくさと乗車することにしました。2 番線には御坊から乗車していた 2353M の車輌が停車していましたが……

ものの 5 分ほどで 1 番線にワープしていました。御坊行き 2358M として 13:26 に出発するようですが、発車の 48 分前に入線というのもなかなか豪快ですね……(車内清掃を行うのでしょうか?)。

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