千鳥ヶ淵戦没者墓苑を歩く(第三回)
「千鳥ヶ淵戦没者墓苑を歩く」の第三回です(ついにシリーズ化したか)。
西門から入ってすぐのところに、藤棚があります。大きすぎず、小さすぎず、すごく計算されて作られている印象を受けます。それもその筈で……
このように案内板もありまして、
せっかくなので、引用しますね。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑の森林
千鳥ヶ淵戦没者墓苑の森林は、近代造園学の父とよばれた田村剛博士の設計により、都心における洗心・安息を旨とした単純・質素を理念とし、昭和34年(1959)に新たに造営されたものです。
当時は、約5,000坪(約1.6ha)の敷地に、シイやケヤキなどの高木13種、ツバキなどの灌木11種の合計1,800本が植えられましたが、その後の寄進や植樹、実生による自然繁殖などにより、現在では約4,000本に達しています。
植樹後約半世紀を経ることで、主に武蔵野の樹木を用いた植栽当初の樹木も大きく育ち、常緑樹を中心とした静寂、荘厳な森を形成しています。なかには、幹周りが二人がかりで手がつながるほどに大きくなった樹木(樹周250cm前後)も数多くみられます。
(後略)
「千鳥ヶ淵戦没者墓苑の花」
もう一つのほうも。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑の花
千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、静寂さと荘厳さを主眼とした造営当初からの理念に基づき、常緑樹を中心とした植樹がなされています。苑内ではこうした高木の林床を中心に季節を彩る花々を楽しむことができます。
苑内の主な花木
花木名 花期 花色
(1) フクジュソウ 2~3月 黄色
(2) サクラ 3~4月 淡紅色
(3) ボタン 4~5月 紅色~白色
(4) アセビ 4~5月 白色
(5) フジ 4~6月 紫色
(6) カルミア 5月 淡紅色
(7) センダン 5~6月 紫色
(8) アベリア 5~11月 白色~淡紅色
(9) サルスベリ 7~9月 紅色、白色
(10) 大賀ハス 8月 白色~紅色
(11) ヒガンバナ 8~9月 紅色、白色
(12) ツバキ 12~3 月 紅色、白色
「カルミア」はツツジ科の花で、北アメリカやキューバ原産なのだそうです。つまり、外来種ですね。ちなみに、名前の由来は次の通り。
北アメリカの植物を収集したスウェーデンの植物学者ペール・カルム(Pehr Kalm)にちなみ命名された。
カルミア種の中には「アメリカシャクナゲ」と呼ばれるものがあるようですが、日本のシャクナゲ(石楠花)が「ツツジ属シャクナゲ亜属」なのに対し、アメリカシャクナゲは「カルミア属」なので、赤の他人……のようですね。
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