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春の東北小旅行 2015 (42)「ドラゴンロード釜石道」

「暫定 2 車線」で工事されている釜石自動車道を南に向かいます。4 車線化工事をする際には、左側の山を大幅に削ることになるのでしょうね。

さて、この釜石道ですが、遠野から釜石に向かうのは異論は無いとして、どこで東北道と接続するのかで相当揉めたとのこと。当初は「盛岡から遠野」と「北上から遠野」の両方を建設するというプランを想定していたそうですが、さすがにそれはオーバースペックではないかとの話になり、一本化することを迫られたのだそうです。

そのため、岩手県は遠野から盛岡への最短ルートに近い「紫波経由」に一本化したところ、当然のことながら北上や花巻から猛反発され、建設省岩手県の要望を却下する事態になったのだとか。最終的な落とし所として、空港と新幹線へのアクセスルートとしても使用できる花巻ルートに決定したのだとか。北上からそのまま東に進むルートが取られなかったのには、こんな政治的な駆け引きがあったのですね。

経緯は若干異なりますが、今の JR 大船渡線も地元のステークホルダーが綱引きを繰り広げた関係で、右往左往するようなルートになりました(現在ではその不自然な線形を「ドラゴンレール」と称していますね)。ルート選定で揉めるのはお国柄だったりするのでしょうか……?(汗)


そんなわけで、東和 IC から江刺田瀬 IC まではほぼ南南東に進むことになりました。並行する JR 釜石線は(遠野への最短ルートである)東南東に向かっていることを考えると、これまた遠回りになるのですが、北上市から釜石に向かう最短ルートになるように考慮した……と言ったところでしょうか。

途中には追い越し車線も用意されていました。

かつての和賀郡東和町(現・花巻市)と江刺市(現・奥州市)の間の「赤部トンネル」(あかぶ──)に入ります。気温は 17 度ということで、暑くもなく寒くもなく、ちょうどいい具合ですね。

旧・江刺市域唯一の IC

江刺市(現在は隣の水沢市と合併して「奥州市」)の北にある「江刺田瀬 IC」にやってきました。「江刺」と「北上」の文字が光りますね……(汗)。地図をよーく見てみると、旧・江刺市域に IC を設けるためにわざわざ南下したようにも見えてしまいます。

除雪車待避所

次の宮守 IC までは約 10 km とのこと。もっとも、釜石道は随分と南側を回っているので、もう宮守駅の近くを通ることはありません。

そして、道路脇に謎の空きスペースがありますが、これは「除雪車待避所」とのこと。なるほど、除雪をしていても必ずしも梯団走行が必要ではない場合もありますから、どこかで後続車に道を譲る必要が出てきます。そういった用途のために路肩を確保してあるのですね。

英語での説明は無い代わりにアイコンとしてのイラストが描かれています。絵だけでも十分通じそうな、良いアイコンです。

トンネルを抜けた先にも「除雪車待避所」がありました。これだけ頻繁にあるということは、このあたりは実は結構な豪雪地帯だったりするのでしょうか。

釜石道は宮守で塞がっていた

宮守 IC……実態は JR 釜石線の「鱒沢駅」の近くですが……の出口が近づいてきました。

2015 年の GW の時点では、宮守 IC が釜石道(花巻側)の終点でした。2018 年現在は次の遠野 IC まで延伸されていて、今年度中に遠野 IC と遠野住田 IC(釜石側の終点)の間が結ばれる予定とのことです。

遠野の市街地を抜ける必要がなくなるので、これは助かりますね……!

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