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釧網本線ほぼ各駅停車 (24) 「細岡」

再び、釧網本線のすぐ傍に釧路川が近寄ってきました。このアングルだとどれが本流なんだか良くわからないことになっていますが……

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 4 月~ 5 月時点のものです。新型コロナウイルス感染症パンデミックにより、各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

正解は「どれも本流」でした。巨大な S 字カーブを描いていて、S の書き順と同じ向きに流れています。やっぱ平野部の大河は極端に曲がりくねっていて、至るところに河跡湖がないと……!

釧路町に入りました。すごい勢いで川に樹木がせり出していますが、この川は「達古武湖」の流出河川である「達古武川」のようです。

ちなみに「達古武湖」は河跡湖ではなく「海跡湖」とのこと。別の言い方をすれば釧路湿原と釧路の市街地(の大半)は釧路川を初めとした川が運んだ土砂で形成されている……ということになりますね。

細岡駅(B57)

「達古武踏切」を通過します。この踏切を横断したことのある人は結構いそうな予感が……

細岡駅の構内に入りました。かつては貨物用ホームに繋がっていたと思しき線路が見えますが、航空写真で見るとこの線路はすでに本線とは切断されているようにも見えます。

細岡駅は 1 面 1 線の棒線駅です。そしてホームと駅舎は進行方向右側にあります。いや~、駅名標が見えるっていいですよねぇ……(ここ数駅どれだけ寂しい思いをしたか……)。

ログハウス風の洒落た駅舎が見えます。ホームの端にはフェンスが設置されていて、駅舎を通らないと外に出られないようになっていますね。

細岡駅も、2016 年時点の 1 日平均乗車人員が「1 名以下」という「極端にご利用の少ない駅」の一つでした。そのため、2023 年からは通年営業を取りやめ、4/25 から 11/30 の間の季節営業になる予定とのこと。

「細岡さん」は実在したのか

この「細岡」という駅名ですが、昭和 29 年版の「北海道駅名の起源」には次のように記されていました。

 細岡駅(ほそおか)
所在地 釧路国釧路郡釧路村
開 駅 昭和二年九月十五日
起 源 アイヌ語でもと附近一帯を「タㇷ゚コㇷ゚」(たんこぶ山)といったが、釧路川の左岸に細い岡が連なっているのでそれをもって駅名としたものである。
(「北海道駅名の起源(昭和 29 年版)」草風館『アイヌ語地名資料集成』p.403 より引用)

ところが、昭和 48 年版では……

  細 岡(ほそおか)
所在地 (釧路国)釧路郡釧路村
開 駅 昭和 2 年 9 月 15 日 (客)
起 源 アイヌ語でもと付近一帯を「タㇷ゚コㇷ゚」(たんこぶ山)といっていたが、釧路川の左岸に「細い岡」が連なっているから、それをとって駅名としたものである。なお鉄道建設の際の監督官が「細岡」という人で、その姓をとったという説もある。
(「北海道駅名の起源(昭和48年版)」日本国有鉄道北海道総局 p.160 より引用)

何処からともなく「細岡さん」が登場して、話が急にややこしくなったようです。これ、普通に考えれば「細い岡」で良さそうに思えるのですが、19 年後に「細岡さん」説がわざわざ追記されたということは、「細岡さん」説が有力な仮説として躍り出た、ということなんでしょうか……。

この「細岡さん」が果たして実在したのか、誰か調査されていたりするのでしょうか……?

釧路行き快速「しれとこ」は細岡駅を出発通過しました。次は「釧路湿原駅」です。

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