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日高本線各駅停車 (2) 「様似・その2」

乗り継ぎには少し時間があるので(バスならではですね)、少し駅舎の中を覗いてみましょう。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 5 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

待合室の入口……厳密には二重扉の外側……には「日高線列車運休にともなう列車代行バス停車場のご案内」が貼り出されていました。

本当は様似からディーゼルカーに揺られて旅をしたかったのですが、2015 年 1 月の高波による路盤流出でバス代行になってしまい、気がつけば 2 年以上が経過していました(2017 年 5 月時点)。もはや鉄路による復旧は難しいんじゃないか、と誰もが覚悟を決めていた頃……だったでしょうか。

ところで、この代行バスですが、(ジェイ・アール北海道バスの)日勝線の乗り場からではなく、駅舎の真ん前から出発するんですね。

代行バスのお知らせ

乗り場の案内の横には「日高線代行バス等運転時刻」と、「日高線列車代行バス運休日のお知らせ」が掲出されていました。

待合室の中に入ると……

ここにも代行バスのお知らせが。廃止予定だった東鹿越駅と、石勝線の乗換駅である新得駅の間でもバス代行が行われていて、こちらも皆さんご存知の通り、現在まで鉄路が復旧すること無く継続中です。東鹿越新得間が不通になったのが 2016 年 8 月ですから、もう 7 年以上バス代行が続いているんですね……(2024 年 2 月時点)。

余談ですが、国鉄士幌線の糠平-十勝三股間がバス代行になったのが 1978(昭和 53)年 12 月で、士幌線が全線廃止されたのが 1987(昭和 62)年 3 月とのこと。糠平-十勝三股間のバス代行期間は 8 年 3 ヶ月だったことになりますね。

自動車駅?

待合室の一角にはジェイ・アール北海道バスの切符売場が設けられていました。鉄道の駅としては無人駅だったものの、自動車線の駅である「自動車駅」相当の機能がある……という話を目にしていたのですが、なるほど、こういうことですか。

窓口の右上にはジェイ・アール北海道バスの時刻表が掲出されていました。えりも岬方面の本数は平日 7 本、土曜・休日は 4 本で、向別・上野深方面は平日 11 本、土曜・休日も 9 本が設定されています。沿線人口の違いがモロに本数に反映した感じでしょうか……?

切符売場の左の壁には額の中にポスターが張られていて……

そこには「様似駅発 代行バス時刻表」が。17:26 発のバスが赤い字になっていますが、このバスは「苫小牧方面への接続はありません」とのこと。苫小牧行きの最終列車バスは 15:50 発のようです。

「様営前」

切符売場の右の壁にはラミネート加工された手作り感のあるポスターが貼られています。「えりも岬散策キップ」というものもあるのですね。様似駅襟裳岬の往復切符のようで、襟裳岬に出かけるならこの切符のほうが使い勝手が良さそうな感じも……?

お隣には「ジェイ・アール北海道バス(株)様似営業所『都市間便』路線図」と「日勝線路線図」が貼られていました。一番上の「都市間便」は札幌駅とえりも駅を結ぶ「高速『えりも号』」と臨時便の「高速『えりも・ひろお号』」、そして 2023 年 11 月から運休中の「高速『ひろおサンタ号』」の路線図です。

下の二つが「日勝線」の路線図で、様似営業所前(「様営前」と略すのですね)と広尾の間の路線図と、「様営前」と「向別」「上野深」の間の路線図です。「様営前」と「向別」の間は日高本線の沿線でもあるのですが、この区間も「日勝線」だったんですね。

更にその隣には、こんな「お知らせ」も。

そもそも日高本線鵡川-様似間がバス代行になっているのは、厚賀大狩部の間の路盤が流出したからなのですが、代行バスが走る道路まで陥没するとか……。試されまくる大地ですね……。

売店跡?

ジェイ・アール北海道バスの切符売場の向かいは待合室で、長椅子タイプのベンチが置かれていました。

ベンチの横にはシャッターが下ろされた場所が。売店跡でしょうか……?

「南十勝えりもとんがりロード散策きっぷ」のポスターの上にはこんな「お知らせ」も。

なんと言うか、真綿で首を絞められるような閉塞感があるような……。鉄道路線が廃止になる、という程のインパクトは無いのかもしれませんが、様々なものが「合理化」のために少しずつ、でも確実に削られ続けるというのは、なかなかメンタル的に「くる」ような気がするんですよね。

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