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山陰本線の旅(番外編)#11 「三保三隅」

益田行き 3455D は、折居を出発して次の「三保三隅」に向かいます。道の駅が近くにある「吉浦港」のあたりで海沿いから離れて内陸部を走ります。

三保三隅駅(みほみすみ──)

折居から走ること 5 分ほどで、三保三隅に到着しました。屋根の無い、比較的新しそうな設計の跨線橋が見えます。

右側には島式ホームが見えます。ということは……そうです。この駅は由緒正しい「国鉄型」の配線のようですね。改札を入ったところに 1 番線があって、向かいの島式ホームに 2 番線と 3 番線があるという、あのレイアウトです。

厳密には 1 番線と 2 番線の間に貨物列車を停めておける留置線があるべきなのかもしれませんが。


三保三隅駅の開業は、山陰本線周布から三保三隅まで延伸した 1922 年(大正 11 年)のことです。翌年には石見益田(現在の益田駅)まで延伸しているので、終着駅だったのは僅かに 1 年 4 ヶ月ほどのことですが、現在でも一部の特急が停車するなど、浜田-益田間では最も重要な駅のひとつと言えそうです。

駅舎は進行方向左手(東側)に位置しています。

ちなみに、「三保三隅」というちょっと変わった駅名になっているのは、駅の立地とも大きく関係があるのだろうなぁ……と想像してみました。実は、山陰本線はこの先、三隅町湊浦という大きな集落の脇を通過します。このあたりは、どう見ても三保三隅の駅前よりも家の数が多いのですが、なぜか三保三隅駅は東の山間に設けられました。

地図をよく見ると、三保三隅駅から三隅川を遡ったところに「浜田市役所 三隅支所」(かつての三隅町役場)があることに気付かされます。つまり……そういうことです。「三隅町湊浦」には「三保公民館」や「三保保育園」などがあり、(現在は住所としては存在しないようですが)おそらくかつては「三保」と呼ばれていた時期があったのでしょう。

そして、役場のあった「三隅」は、三保からは川沿いにグルっと大回りする必要がありました。役場があるくらいですから、本来は三隅の最寄りに駅を設けるのが望ましかったことでしょう。そのため、わざわざ「三保」から離れた町外れに駅を設けた、ということなのだと思います。

三隅町湊浦」には、「三隅三保郵便局」なる郵便局もあります。自治体の名前としては「三隅町」になったので、三隅町の三保にある郵便局、ということで「三隅三保郵便局」となったのでしょうか。駅も「三隅町の三保(のほう)にある駅」なので、「三隅三保駅」となるのが自然な感じもしますが……あれ、そう言えば逆ですね。はて?

一部の特急列車が停車する

一部の特急列車が停車する三保三隅駅ですが、目の前を鳥取行きの特急「スーパーまつかぜ 12 号」が!

ほんの一瞬の間に、「スーパーまつかぜ 12 号」はあっさりと通過して行きました。どうやら、新山口で新幹線と接続する「スーパーおき」が停車して、「スーパーまつかぜ」は通過するみたいですね。同じ特急なのに格付けがあるようで面白いです。

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