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宗谷本線各駅停車 (34) 「下士別・士別」

多寄駅を出発した旭川行き 328D は、まっすぐ南に向かって疾走中です。

この日は 3 連休明けの金曜日ということもあり、車内には学生さんが多く乗車していました。まぁ、4 人掛けのボックスシートを 1 人で専有できる程度の混み具合とも言えますが……(通学で利用する学生さんはデッキ寄りのロングシートに集まっていることも多いですね)。

下士別駅(W43・2021/3/13 廃止)

多寄駅からまっすぐ南に向かって走ること 3~4 分ほど、328D は減速して停車しようとしていました。集会所のような建物が見えてきましたが……

むむっ、どうやら「下士別駅」に到着したようです。集会所のように見えた建物が駅舎で、隣には自転車置き場と思しき建物も見えます。こちらの自転車置き場ですが、屋根のみならず三方向が壁で囲まれているので、風や雪の吹き込みが最小限に抑えられそうな構造です。利用者への思いやりが感じられる構造ですよね。

そして駅舎に掲げられた「しもしべつ」の額が、実にいい味を出しています。

ホームはプレコン製

下士別駅は 1955 年に仮乗降場として設置された後、4 年後の 1959 年に駅に昇格しています。

ただ、ホームはウッドデッキ構造ではなく「プレキャストコンクリート製」とのこと。「プレキャストコンクリート」は「プレコン」とも略されるそうですが、工場で製造されたコンクリート製品……なんですね。U 字溝の部材なんかも「プレコン」ということになるのでしょうか。

この下士別駅ですが、やはりと言うべきか、一日の平均乗車人員が 10 名以下の「極端にご利用の少ない駅」だったようで、残念ながら 2021 年 3 月 13 日で廃止されてしまいました。いい佇まいの駅だっただけに惜しいですね……。

旭川行き 328D は再び速度を上げて、次の「士別駅」に向かいます。士別駅の手前で「天塩川」を渡るのですが、宗谷本線が天塩川を渡るのはこれが最初で最後なんですよね(なのに写真が無いという……)。

士別駅(W42)

328D は 17:11 に士別駅に到着しました。……なななっ、なんですかこの近代的なホームは!(他の駅との違いに動揺を隠せない) ホームは石垣ではなくプレコン(覚えたらしい)のブロックで固められていて、その上には立派な屋根が……。「羊のまち 士別へようこそ!」と描かれた看板があったり、これまでの駅とは比べ物にならないくらい「都会っぽい」佇まいですね。

士別駅は 2 面 3 線の配線で、駅の南側には引込線が見えます(豊清水駅と似てますね)。一見、国鉄型配線のようにも見えますが、高速化を目的とした一線スルー工事が行われていて、駅舎が隣接する 1 番線が待避線で、跨線橋の先にある 2 番線が本線扱いのようです。

この構造は風連駅と似ていますが、士別駅は特急停車駅ということもあってか、旭川方面の列車は 1 番線を使用し、稚内方面の列車は 2 番線(一部は 3 番線)を使用する運用になっているようです。士別駅で対向列車と交換を行わない列車もあるので、そういった列車は全て 1 番線を使用すれば、跨線橋を渡らずに済みそうなんですけどね(もしかしたら構造上 NG なのかもしれませんが)。

言わずもがなですが、「本場の味」はサッポロビールですね。

逃げるどころかまだ来てないし

旭川行き 328D は定刻通りに士別駅を出発しました。旭川行きなので 1 番線からの発車です。

士別市内を流れる「チューブス川」を渡ります。去りゆく夏を惜しむには時期的に早すぎた感が否めません(何の話だ)。

剣淵川

剣淵川を渡ります。鉄橋とトンネルは建設費を圧迫する要因となるため、宗谷本線は天塩川を渡る回数をとにかく最低限に抑える形でルート選定が行われたように見えます。

ただ天塩川の支流である剣淵川については「わざわざ忌避するほどではない」と見られていたのか、この橋を含めて 2 箇所に架橋されています。

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