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隠岐ジオパークの旅 (34) 「あの唄はもう唄わないのですか」

そろそろお腹も空いてくる時間ですが

白島海岸を出て、次なる目的地に向かったのは 12:30 を過ぎた頃でした。

「お昼はどうしましょうか?」
「そろそろお腹が空いてきました」
「この辺だと……そば屋があるくらいかなぁ」

といった会話が交わされたのですが、それはさておき(さておいたか)。

次の目的地がこちら。

はい。北西部の「久見」というところです。

伊勢命!

さてさて。右手にまたしても神社が見えてきました。隠岐は本当に格式のある神社が多いですね~

カメラアングルが最悪なのは、仕様です(←)。

はい。この神社は「伊勢命神社」と言うのだそうです。そういえばどこからか「22 才の別れ」が聞こえてくるような……(もちろんウソです)。

隠岐はイケてる式内社の宝庫だった

さて、そんな「正やん」ファンによって建立された(違う)「伊勢命神社」ですが……

まずは、Wikipedia の記述を見てみましょう。

伊勢命神社(いせみことじんじゃ)は、島根県隠岐隠岐の島町に鎮座する神社である。『延喜式神名帳隠岐国穏地郡に「伊勢命神社 名神大」と記載された式内社名神大社)で、社格は旧郷社。鎮座地は島後の北端にあたる。
Wikipedia 日本語版「伊勢命神社」より引用)

というわけで、「延喜式」にもしっかりと記載のある、由緒正しい神社です。そして、「伊勢命神社」は「式内社」の中でも「名神大社」という、どこかのパーキングエリアのような……ではなくて、特に霊験あらたかな「名神」(後に「明神」)を祀る「大社」クラスの神社なのだそうです。

名神大」の神社の数は国ごとにまちまちで、「山城国」(京都府)には 16 もあるかと思えば、「伯耆国」(鳥取県)や「石見国」(島根県)には 1 つも無かったり、「出雲国」(島根県)にも 2 つしか無かったりするのですが、なんと「隠岐国」(島根県)には「由良比女神社」(西ノ島町)、「宇受加命神社」(海士町)、「水若酢命神社」(隠岐の島町)そしてこの「伊勢命神社」(隠岐の島町)と 4 つもあったりします。

「伊勢」はどこからやって来た?

さて、何故に「正やん」が祀られている(違う)かという話ですが、

社名
寛文7年(1667年)の『隠州視聴合紀』以後の諸書は全て「内宮(ないぐう)」あるいは「内宮大明神」と記し、近世には伊勢の皇室大神宮(内宮)の別社のごとく見られていたが、なお祭神を「伊勢命」とするなど古伝を失わなかったため、明治になってから『延喜式神名帳』に従って「伊勢命神社」に復した。
Wikipedia 日本語版「伊勢命神社」より引用)

こんな記述を見ると、いかにも「伊勢神宮の分家でーす」といった雰囲気がぷんぷんと漂ってくるのですが、ところが……面白いことに、「伊勢国」(三重県)には「名神大」は 2 社のみで、伊勢神宮は含まれていません。

祭神
  • 伊勢命
他に見えない隠岐国独自の神であるが、その神名や磯部との関係から、海人を介して伊勢地方と深く繋がる神であろうとされている。また祈雨に効験があるとの信仰もある。
Wikipedia 日本語版「伊勢命神社」より引用)

「磯部」と言えば、伊勢神宮のあるところからちょと南に行ったところにある「志摩市磯部町」(近所に「志摩スペイン村」があります)のことが思い浮かびます。そして「志摩市磯部町」には伊勢神宮のパチモン(←)として一部の偽史マニアに人気の「伊雑宮」(いざわのみや)があるのですが、「伊雑宮」も「名神大」には含まれていません。どうやら「伊勢命神社」とは関係が無さそうな雰囲気です。

……ちょっと長くなりそうなので、続きはまた明日にでも。ふうっ……。

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