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泰緬鉄道乗車記 (17) 「ベルギーはフランスの北側にあってね……」

お向かいさん登場

我らがナムトク行き 257 列車は、Thakilen (ターキレン)で大勢の「団体さん」を乗せて、正午ぴったりに出発しました。

手元に正確な時刻表が無いのですが、多分それなりに遅れていた筈です。

さて。ターキレンでご乗車の「団体さん」の中から、50 代に見える欧米人のご夫婦(多分)が、向かいの席にやってきました。男性は肩からキヤノン製の一眼レフを、女性はビデオカメラを片手にご乗車です。「大家族のみなさん」(詳しくは 2012/5/6 の記事をご覧ください)が元々の席に戻って空席になったところに腰掛けて、「ここはツーリスト席かい?」と軽い調子で話しかけてきました。

お向かいさんは、代わる代わる窓側に陣取っては周りの風景を撮影していました。

まぁ、このような、至って平和な風景が続いていたのですが……。

ベルギーはフランスの北、オランダの西側に位置する王国です

軽く写真撮影を終えた後で、お向かいさんの男性が話しかけてきました。

「観光客?」
「はい」
「バカンス?」
「ええ。もっとも今日一日だけですけどね」

これも何かの縁なので、こちらからも話を続けてみました。

「私は日本から来たんだけど、あなた方はどちらから?」
「Belgium」
「ベルギーですか!」

ここで、「ベルギーか。そうだ、ベルギーの首都はどこだったろう……」と考えを巡らせたところ、お向かいさんは「こいつはベルギーのことを良く知らないらしい」と思ってしまったらしく……

「ベルギーはフランスの北にあってね……」
「はい、知ってます知ってます!(汗) えーと、ブリュッセルから来られたのですか?」
「そうそう! ブリュッセル!(嬉)」

という会話が続いたのでした。これはつまり、日頃から「ベルギーはフランスの北にあってね……」という会話を重ねていたのではないかと気がついて、有名な筈なのに今ひとつマイナーな、ベルギーの皆さんのちょっとした悲哀を見てしまったようで、個人的にはめちゃくちゃウケてしまったのでした。

Lumsum 駅

そんなやりとりもあって、ちょっとほっこりしたところで次なる駅に到着です。

待合室が見えます。従ってこちら側(川側)にホームがある筈なのですが、

駅前はご覧の通り。民家?以外は何も見えません。

1 分ほど停まっている間に、近くの子供が列車に近づいてきました。

この駅は Lumsum 駅という名前のようでした。「泰緬鉄道要図」には出てこない駅名です。

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