Bojan International

旅行記・乗車記・フェリー乗船記やアイヌ語地名の紹介など

ジェイ・アール北海道バス 日勝線の旅 (16) 「本気を出した『黄金道路』」

運賃表に「次は『留別』です」と表示されました。北方領土に「留別村」がありますが、きっと無関係の筈……。

【ご注意ください】この記事の内容は、特記のない限りは 2017 年 5 月時点のものです。各種サービスの実施状況や利用時間などが現在と異なる可能性があります。

「モイケシ第一覆道」を抜けてからは、黄金道路らしからぬ「覆道の無い区間」が続きますが……

右カーブを抜けると「モイケシ覆道」の登場です。その先にはトンネルがありますが、あれ、入口が二つある……?

トンネルが二つ?

トンネルの入口が二つあるのが気になりますが、どうやら右側のトンネルに入るようです。

左側のトンネル(旧道でしょうね)の入口には可動式のフェンスが設置されていますが……

2023 年 10 月のストリートビューでは、封鎖が更にハイレベルになっていました。勝手に入っちゃう人がいた、ということですよね……?

近藤重蔵の山道開削

様似行きバスは「タニイソトンネル」に入ります。トンネルの手前は「ルベシベツ川」が流れていて、地名も「広尾町ルベシベツ」です。「ルベシベツ」に「留別」という字を当てたものの普及しなかった系でしょうか……?

「ルベシベツ川」の近くには「史跡 近藤重蔵山道開削口」というポイントが登録されています。近藤重蔵の山道開削は道内における新道開削の嚆矢とも言えるもので、ルベシベツ川沿いを遡り、ビタタヌンケ川の支流(名称不詳)に抜けるルートだった……ということのようですね。

(この背景地図等データは、国土地理院地理院地図から配信されたものである)

改めて地形図で見てみると、これほどお誂え向きの峠越えもそんなに無いような……。そもそも「ルベシベツ川」という川名自体が「峠に沿って下る川」なので、この上ないルートに思えるのですが、国道 336 号がこの峠を使わなかったのは、勾配を最小限に留めたかったからでしょうか。

タニイソトンネル

「タニイソトンネル」に入りました。旧道のトンネルが存在することからもわかるように、「タニイソトンネル」は 3 つの短いトンネルと 1 つの覆道を置き換える形で新たに掘削されたトンネルのようです。

何故か次のバス停が「留別」のままですが……?

お、「谷磯」に変わりました。「タニイソトンネル」を抜けると「広尾町タンネソ」ですが、バス停は漢字表記で「谷磯」なんですね。

地理院地図によると、広尾町タンネソの 1 km ほど南に「タンネソ東小島」という島があるようで、周辺の海には多くの岩礁が描かれています。その中にはきっと長い岩礁があり、tanne-iso で「長い・波かぶり岩」と呼ばれたのでしょうね。

新宝浜トンネル

「タニイソトンネル」を抜けると、すぐに次の「新宝浜トンネル」に入ります。「新宝浜トンネル」も 1 つのトンネルと 4 つの覆道を置き換えているようです。

「新宝浜トンネル」を抜けて……

1 km ほどの「地上区間」に出ました。もう次のトンネルも見えていて、ついに「黄金道路」が本気を出してきた感がありますね。

ちなみにこの写真も他の写真と同様にウソくさく補正したもので、補正前はこんな感じでした。

絶賛追い越され中

この先を流れる「ビタタヌンケ川」を渡ると「えりも町」ですが、川の手前の右側にパーキングスペースがあります。「道路全通記念碑」や殉職された方の記念碑があるとのこと。

あっ、道路を横断中の人が!

道路を横断する人を見届けた後、バスが気持ちアクセルを緩めて左に寄ったのですが、「待ってました」とばかりに乗用車が追い越してゆきました。

「ビタタヌンケ川」を渡ります。ここは見通しの良いストレートなので、バスを追い越すには絶好の場所です。「えりも町」のカントリーサインも見えていますね。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International