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福塩線各駅停車 (15) 「上下・甲奴」

三次行き 1725D は備後矢野を出発し、次の「上下」に向かいます。どうせだったら次の上下で上り下りの列車がすれ違うダイヤにすれば良かったのに……と思ったり。

ちなみに午後に走る 1729D と 1733D は、上下駅ですれ違うダイヤのようです。

上下駅(じょうげ──)

6 分ほどで、上下に到着です。交換設備のある割と大きな駅で、無人駅ではなく簡易委託駅だそうです。

二面二線の構造で、線路の向かい側のホームに向かうための歩道橋もあります。

上下駅の開業は 1935 年(昭和 10 年)のことです。福塩線は福山と塩町(三次市)を結ぶ路線ですが、両備軽便鉄道を買収して国有化した福山~府中(府中町)間を除けば、工事は北の塩町から進められました。塩町から 2 駅先の吉舎(きさ)までが 1933 年(昭和 8 年)に開通(福塩北線)し、吉舎から上下までが 1935 年(昭和 10 年)に開通しています。上下から府中までが開通し、福塩北線と福塩南線がつながって「福塩線」となったのが 1938 年(昭和 13 年)のことです。

今の駅舎がいつから使われているものなのかは不明ですが、かなり歴史の長そうな感じのする駅舎ですよね。

上下からは、福塩線は上下川沿いのルートを通ります。駅名だけではなく自治体名も「上下町」でしたから、普通に「上下タイヤ」なんてお店もあります。ここまで並走していた国道 432 号はこのまま北上するので、この先でお別れです。

線路の左側は山すれすれのところを通ります。右側には「上下川」が流れていますが、上下川は江の川の支流のひとつです。あれっ、分水嶺はどこにあったのだろう……と思ったのですが、上下駅のあるあたりが分水嶺だったようです。「上下」は日本海側と太平洋側の境界でもあったんですね。

甲奴駅(こうぬ──)

福塩線は西に向きを変えて、上下から 7 分ほど走ると、間もなく次の「甲奴」です。

「こうぬ」という駅名は中々読めないなぁ……と思ったのですが、Wikipedia にはこんな情報が記されていました。

2017年現在、JR各社の駅において「ぬ」で終わる唯一の駅名である。
Wikipedia 日本語版「甲奴駅」より引用)

「かなりどうでもいい」とはまさにこのことでしょうか(汗)。

甲奴駅の開業は 1935 年(昭和 10 年)の福塩北線延伸と同時でした。1985 年(昭和 60 年)に簡易委託駅となり、国鉄から JR に継承された後の 1993 年(平成 5 年)に簡易委託が終了され無人駅になっています。

ただ、駅舎は今でも「お好み焼き屋」として使用されているとのこと。なるほど、道理で綺麗に整備されている筈です。

このあたりは、かつては「甲奴郡甲奴町」でした(お隣の上下町も「甲奴郡上下町」でした)。甲奴町は 2004 年に廃止され、三次市と新設合併しています。

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