Bojan International

旅行記・乗車記・フェリー乗船記やアイヌ語地名の紹介など

木次線各駅停車 (8) 「加茂中」

南宍道駅を出発してからも、上り勾配が続きます。宍道加茂中の間には分水嶺があり、木次線は海抜 92 m ほどの峠を越えて加茂中に向かうことになります。地図で見た感じでは国道 53 号のルートのほうが最高地点も低そうなのですが、勾配もきつくなるので、あえて東側を少し遠回りするルートを選んだと言ったところでしょうか。

前述の通り、宍道から加茂中に向かうルートとしては国道 53 号があるので、木次線沿いの道は途中で行き止まりになってしまいます(人が歩ける幅の道は存在するようです)。「この先行止り」の案内があるのは親切で良いですね。ストリートビューだとこんな感じです。

踏切があれば便利な場所

雲南市加茂町砂子原(すなごはら)というところにやってきました。最初の分水嶺を越えて雲南市(旧・加茂町)に入ったので、ここからしばらくは下り坂が続きます。

45 km/h 制限の右カーブが見えてきました。いつの間にか前面のワイパーも稼働しています。生憎のお天気……ですね。

次のカーブは少し曲線が緩いのか、60 km/h 制限という(木次線にしては)高速カーブです。前方の線路脇に、不自然に草?の色をした部分がありますが……

「危険です 鉄道用地には入らないで下さい」という看板がある……ということは、線路を勝手に横切っている人がいるということなのでしょうね。ここは踏切では無いのですが、線路の左側から少し奥に入ったところに数軒の民家があります。踏切があれば便利な場所……なんですよね。

圧縮効果恐るべし

雲南市加茂町の町並みが見えてきました。何やら奥の方に白い建物が見えるのですが……

実はこの建物、「加茂文化ホール・ラメール」なるものだそうですが、川幅 100 m はあろうかという赤川の向こう側にありました。カメラの圧縮効果恐るべし……ですね。

加茂中駅(かもなか──)

加茂中」の駅が近づいてきました。ん……おおおっ。これはいかにも昔のままの雰囲気の残る駅ですね!

ホームの細さと言い、ホームの中ほどにある待合の屋根と言い、古き良き鉄道駅の雰囲気に満ちています。これは……いい!

一面二線の本線の向こうにも線路が見えますが、保線車両が入ったりするのでしょうか。

待合の屋根は必要最小限のものですが、柱の上の方に菱形の妻面が設けられていて、少しでも雨や雪が吹き込むのを防ごうとしている……ように見えます。

妻面を全部壁にしてしまえばもっと雨風を凌げるのでしょうが、白線の内側に通路を確保するにはこうするしか無かった、ということでしょうか。

事代主命

ホームの駅名標の隣には、なぜか「事代主命」の説明が。「三江線神楽愛称駅名」を思い出しますね。

山吹色の駅名標

事代主命」の隣には「加茂中」の駅名標があります。木次線のイメージカラーが山吹色になったことで、JR 西日本のコーポレートカラーの青基調のものから、山吹色基調のものに差し替えられたとのこと。

構内踏切

駅は盛土の上にあるようで、周りの家よりは少しだけ高いところにありますが、地下道などは無く、普通に構内踏切で外に出ることになります。構内踏切に向かうスロープに手すりが追加されているのは、足腰の弱ったお客様への配慮でしょうか。

構内踏切には遮断機はありません。柱の上に箱のようなものが見えますが、あれが列車の接近を警告音で知らせてくれる……のでしょうか。

昔ながらの信号小屋? も見えます。古き良きローカル線のエッセンスが凝縮された感がありますね。

ちなみに、加茂中駅の標高は(地理院地図で見たところ)約 32 m とのこと。一気に 60 m ほど駆け下りたことになるのですね。

前の記事続きを読む

www.bojan.net
Copyright © 1995- Bojan International